薬剤師取材

5大疾病の現状と薬剤師の関わり方③
〜精神障害にも対応した地域包括ケアシステムとは〜

グッドファーマシー株式会社 あおぞら薬局 藤沢店 成井繁先生

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グッドファーマシー株式会社 あおぞら薬局 藤沢店
成井 繁 先生
日本精神薬学会会員(評議員)、日本在宅薬学会会員、日本医療薬学会会員、日本臨床精神神経薬理学会会員、日本地域薬局薬学会会員:日本精神薬学会 認定薬剤師、日本病院薬剤師会認定 精神科薬物療法認定薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師、認定実務実習指導薬剤師、日本アンチドーピング機構認定 スポーツファーマシスト
(2020年8月取材)

近年、精神疾患患者を地域全体でサポートしていこうという動きが活発化しています。厚生労働省からも「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の指針が発表されましたが、これにより薬剤師の役割はどのように変わっていくのでしょうか。
精神科薬物療法認定薬剤師であるあおぞら薬局 藤沢店の成井繁先生にお話を伺いました。

(本記事は医薬情報おまとめ便内、特集企画「5大疾病の現状と薬剤師の関わり方」にて掲載した記事です。 )

 

精神疾患患者の背景を理解して
社会の一員として生活ができるサポートを

「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」とは、2017年に厚生労働省から発表された精神疾患患者に関する新しい理念です。これは、従来の「地域包括ケアシステム」から一歩踏み込み、高齢者に限らず精神障害者についても地域が一体となってサポートしていきましょうという考え方。皆さんにも、この取り組みが始まった背景を知ってほしいと思います。
日本の精神疾患の患者さんは特に認知症や気分障害の方が増え続け、現在419万人を超えています。このうち9割以上の方が、外来治療で保険薬局に足を運び、治療しながらも社会の一員として自分らしく暮らしたいという思いをもっています。
一方、入院している患者さんに目を向けると、約6割が1年以上の長期入院となっており、「住居や支援がない」という理由で退院できずにいる患者さんも3割以上もいらっしゃいます。また、たとえ退院しても「服薬の援助が受けられない」「日常生活に強いストレスを感じる」などの理由で約4割が1年以内に再入院するという現実もあります。いま、多くの精神疾患の患者さんが、社会の支援を必要としているのです。

地域支援体制加算の要件の改定から見る
薬剤師の地域との関わり方のこれから

精神疾患の患者さんのための社会支援は、高齢者への支援とは異なる性質の取り組みとなります。薬剤師は患者さんとより多くのコミュニケーションを取るのと同時に、医師や訪問看護師、精神保健福祉士、さらには就労支援などの生活を支える人たちとの連携が求められるようになるでしょう。
現実問題として、2020年4月に地域支援体制加算の実績要件が改定されたことも見逃せません。主な変更点は、「服薬情報提供料の実績(年間12回以上)」と「地域医療の多職種と連携する会議への出席(年間1回以上)」が追加されたこと。現在はコロナ禍ということもあり、どちらかを満たせばよいとされていますが、将来的には両方の要件が必要となると見込まれていますので、今からその準備をしておいた方がよいでしょう。

患者さんの自立をサポートするために
副作用などの服薬情報を地域の施設間で共有

「服薬情報提供」は、単に地域支援体制加算の要件としてだけではなく、精神疾患の患者さんを地域でサポートするための大きなポイントになります。特に薬の副作用に関する連携は重要で、在宅医療の現場でも、看護師や精神保健福祉士から「患者さんの苦痛を、医師にどう伝えたら良いのか分からない」といった声が多く挙がっています。そこで必要となった薬剤師の新たな役割が、「服薬情報提供」の観点で、地域のスタッフと医師の橋渡しをすることです。そのためには、薬局と病院、障害者福祉施設、グループホームなどの施設間で情報共有するための、連携用紙が効果的です。副作用をはじめとする服薬情報のほか、生活・精神状況など必要な情報を集約することができるので、ぜひ活用してみてください。
「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」で理想とするのは、より多くの入院患者さんが退院し、社会で安心して生活すること。そして、デイケア、作業所、就労と段階を経て自立する支援を整えることです。私も薬剤師としてできることを、皆さんと一緒に実践していきたいと思っています。

 

グッドファーマシー株式会社 あおぞら薬局 藤沢店

神奈川県藤沢市藤沢1015-14 リヴレ藤沢1F
☎0466-53-7330
藤沢駅北口より徒歩7分。かつて旧東海道の宿場町・藤沢宿であった、住宅地と商業地が近接する人情味豊かな町並みに店舗を構えています。来局される全ての皆様に気軽に相談していただけるよう、健康や薬剤の話だけでなく、些細な疑問やお悩みにも心に寄り添ってお伺いしています。薬局を出るときには、安心して生活を送れるように、皆様が笑顔になれる薬局であることを心がけています。

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