取材記事

第一線で活躍する認定薬剤師に聞く  vol.02 緩和薬物療法認定薬剤師

ヤナセ薬局 在宅医療部 宇野達也先生

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大手チェーン薬局に勤務後、2006年ヤナセ薬局へ。
2009年に在宅医療部へ異動し2014年「NST(栄養サポートチーム)専門療法士」、 2015年「緩和薬物療法認定薬剤師」を取得。 医療用麻薬、静脈・経腸注入ポンプの取り扱い、 無菌調剤なども行い24時間体制で在宅医療に従事。
(2019年3月取材)

在宅での終末期、看取りケアの需要拡大とともに注目される「緩和薬物療法認定薬剤師制度」。実際の現場ではどのように在宅医療に貢献しているのでしょうか?
資格取得のきっかけややりがい、今後の展望などについて、緩和薬物療法認定薬剤師でありNST専門療法士でもある宇野先生にお話を伺いました。

現場で何もできない危機感から
緩和薬物療法認定薬剤師の道へ。

私はヤナセ薬局の在宅医療部に所属し、緩和薬物療法認定薬剤師として地域の在宅医療に特化した取り組みを行っています。在宅医療では、がんだけでなく、心不全やCOPD、あるいはALS、脊髄小脳変性症、重症筋無力症、進行性核上性麻痺といった神経難病など、さまざまな患者さんを担当しますが、多くの方が痛みや呼吸苦を抱えています。痛みといっても、組織が侵害されてできる体性痛、炎症や腫瘍などによる内臓痛、神経の損傷に伴う神経障害性疼痛など、その種類は多岐にわたります。そうした苦痛症状を取り除き、穏やかに過ごせるようにならなければ在宅医療はうまくいきませんから、緩和ケアの知識は重要な意味を持つと考えています。
とはいえ、当薬局に勤めるまでそんな在宅医療の現状を知りませんでした。地域に貢献したいと考え、在宅医療部へ異動しましたが、いざ現場に入ったら何もできず、他職種との会話にもついていけない自分にショックを受けたのです。「このままではいけない!」という危機感から患者さんの痛みのケアに役立つ緩和薬物療法認定があることを知り、勉強を始めました。

大切なのは認定の取得以上に、
現場で役立つ存在になること。

緩和薬物療法認定薬剤師の資格を取得したのは2015年。eラーニングや学会の認定テキストなどを中心に5年くらいかけて勉強しました。地域のセミナーなどにも積極的に参加していましたが、1度は不合格に。学会の発表実績が不十分ということでした。
実はNST(栄養サポートチーム)専門療法士の勉強も同時進行で始めており、そちらは2014年に一足先に認定を取得しました。在宅医療では、医療用麻薬と静脈栄養を使用する場合など、緩和と栄養の知識は関連性が強いと考えたからです。
どちらの認定においても、取得するのは決して楽ではありません。緩和薬物療法の認定を受けるには、5年以上の実務歴の他、認定対象となる講習の履修や緩和ケア領域の学会発表など、さまざまな条件があります(下記コラム参照)。私が目指した当時は実務歴以外に何も満たせておらず、しかも在宅医療部の薬剤師は私を含め2名でしたので同僚にも迷惑をかけました。ですが、本当に大切なのは認定を取得することではありません。学んだ知識を、患者さんを中心とした多職種連携の中でいかに役立てられるかが重要なのだと実感しています。

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