2018年7月、岡山県は平成30年7月豪雨の被害を受けました。私は突然、被災県の薬剤師として、災害対応に追われる毎日を送ることになりました。
薬剤師として災害支援を経験する
昨今、日本全国で大規模災害が目立つようになりました。地震、津波、豪雨、水害、土砂災害…日本は昔から世界有数の災害大国でした。阪神大震災を機に、日本の災害支援体制は国を挙げて急速に整備されつつあります。
私は薬剤師として、東日本大震災、熊本地震で、災害派遣の経験がありました。岡山県からは災害発生後初期段階での派遣であったため、被災地がまだ混乱している中、ある程度は自分で判断をしながら活動をするという経験でした。被災地で薬剤師に何ができるか、避難者支援、災害処方箋の応需、水道・換気・消毒などの衛生管理など、できると考えていました。
災害支援体制の充実の一方で、全国多くの地域では、数十年に一度は大きな被害を受けているにも関わらず、自県が被災した場合の体制づくりは未だ不十分なように感じます。被災地の地理、土地柄、医療特性、災害時の協定、県や卸などの体制…これらは、外部からの支援者にはわかりません。被災した県が全て対応しなければいけないこととなるのです。
そして、今回の西日本豪雨で自県が被災した時、私自身全く対応できないことに改めて気付かされました。