取材記事

小児在宅から健康サポート、
そして高齢者まで。
患者さんに寄り添い、全てを診ていきたい

ココカラファイン薬局砧店 川名三知代先生

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住民のうち、65歳以上の高齢者の割合が54.59%、また国立成育医療研究センターなど小児専門の病院もある世田谷区。そこで在宅医療に取り組むココカラファインの川名三知代先生。
川名先生は東京大学薬学部を卒業後、株式会社三菱化学(現三菱ケミカル)に入社し研究職として勤務したのち、出産と子育てを機にセイジョー薬局(現ココカラファイン)に管理薬剤師として転職。川名先生ご自身がお子さんを持つ身であることから、在宅医療の中でも特に小児在宅に力を入れながら、地域住民の健康をあたたかい心で支え続ける。

「1枚の処方箋の重み」が私の薬剤師観を変えた

病院で振り出され、持ってこられた処方箋に対して調剤するのが薬剤師の仕事だと思っている方も多いと思います。実際に以前の私もそうでした。しかし、砧店に配属になって「薬局に処方箋を持って来られない患者様もいらっしゃるんだ」と知った時の衝撃や、薬剤師と患者様の間には医師やケアマネジャーさんがいるからこそ繋がっているのだと実感した時に「1枚の処方箋の重み」を痛感しました。また在宅医療は高齢者だけのものではなく、国立成育医療研究センターがあることもあって、小さいお子さんや成人でも必要とされている方は大勢います。
医師、看護師、ケアマネジャーや薬剤師、そして地域の連携機関との繋がりが、いかに在宅医療にとって重要かを、身をもって感じています。

当店では在宅をメインにして9年ほど経ち、のべ900名ほどの患者様を担当してきましたが、85%が在宅という、かなり珍しい形態だと思います。連携する医療機関も100機関を超えており、「在宅面分業」として店舗をアピールしているところです(笑)。
私自身も管理薬剤師ではありますが「訪問薬剤師」という言葉を使って患者様のご自宅に伺う在宅医療をメインに行っています。いわゆる店舗内での調剤は、基本的には私を指名してくださる患者様にだけ応対しています。当店では在宅医療もかかりつけ薬剤師が担当していて、私が担当している患者様の数は在宅医療で33名、外来調剤で15名です。
よく「川名先生はなぜ在宅医療に関心を持ったのですか?」と聞かれますが、当店が在宅医療に特化した薬局であったと同時に、私の上司である初田稔が地域の医療機関と連携して在宅医療に取り組む姿を間近で見て「薬剤師として私が進むべき道はこれだ」と思ったのがきっかけです。

小児在宅の現場では「待つ」ことが大事

私が小児在宅医療の現場で心掛けていることは「相手が何かサインを出してくれるまで待つ」ということです。在宅診療で患者様のお宅に伺った時、ひょっとしたらそのお宅でされていることはご家族にとっても負担の多い方法かもしれません。けれどもそれがそのご家庭でのやり方です。まずそのお宅のやり方にむやみに口は出さず、「これでいいのかな?」と疑問に思った時には、医療連携室の先生などに相談をして、必要があれば先生から言っていただくようにしました。
お互いに信頼関係が生まれてから「こちらの方法で試してみてはどうでしょうか」と提案をします。また薬剤師の観点から見た時に「それは間違っているのでは?」と思うこともあります。とはいえ、そのやり方が今すぐ症状悪化に繋がるわけでもありません。逆に今までの方法を180度変えると、ご家族も動揺しますし、場合によっては薬剤の効き方が変わってしまうこともあります。 患者様やご家族と強固な信頼関係を築けるようになるまで1年以上かかるかもしれませんが、徐々に色々と話ができるようになりますので、急がないことが大事です。

健康サポート薬局を通して、
「病気」ではなく、「健康」を考える

ところで、私どもは外来調剤や在宅医療も行っていますが、ベースはドラッグストアなので患者様の健康にも寄与するために昨年2月に健康サポート薬局を取得しました。健康サポート薬局を取得したことで、2カ月に一度の頻度で地域住民の方の健康相談会も行うようになったことで今まで以上に地域の方にコミット出来る環境が生まれました。

専門性にとらわれず患者に寄り添う大切さ

最近は「高度薬学管理が素晴らしい」という風潮があるように感じます。もちろん在宅医療を行うので高度薬学管理は切っても切れませんが、上でも伝えました通り、私は患者様が良くなっていくことをサポートすることで、例えば減薬に繋がったり、薬が必要ないほど回復されたりする姿を見ることに非常にやりがいを感じます。 ずっと来局してくださっていた高齢の患者様を見て、「いつもと様子が違うな」と感じたら“地域包括ケアセンターに連絡して介護認定にスムーズに移行できる”というように、今まで積み重ねてきた経験と信頼関係をもって、患者様のタームに応じた適切なアドバイスができるのは「専門性」というものにとらわれずに、患者様に寄り添ってきたからなのではないかと思います。これからもそうでありたいですし、もっと欲を言えば高齢者から小児在宅医療まで全てを見続けていきたいですね。これはすこし大きすぎる夢かもしれませんね(笑)。

TIPS

■学会には積極的に参加する。モットーは「誘われたら断らない」

■「自立支援協議会」など、薬剤師が顔を出さないような協議会にも自分の専門分野であれば顔を出す

■薬局やドラッグストアの垣根をなしに勉強会があれば参加する。お互い困った時に助け合えて信頼関係が生まれるのは顔なじみだからこそ

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