薬剤師こだわり図鑑

医療知識にこだわり vol.3

子供達の為になる薬と情報を提供したい

調剤薬局あさがお 柏木紀久先生

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神奈川県座間市の小児科の門前薬局に勤務している柏木紀久先生。大学卒業後、製薬メーカーの技術者として製品の品質試験などに携わっていたが、患者さんとの距離が近い調剤の現場で医療に貢献したいと考え、薬局勤務の道を選んだ。現在は管理薬剤師として、子供たちのために自身が何をできるのか?いつも考えている。

薬はきちんと使用できてこそ価値がある

来局患者の多くは小児です。小児の思考や嗜好は千差万別です。薬を全く飲みたがらない子供、薬が気に入って目を離した際に多く服用してしまう子供、様々です。薬剤師の仕事は薬を提供するだけでは十分とは言えません。保護者や患児に理解し、納得して正しく使用してもらうには、どのようにアプローチしていくのが良いかを考えています。子どもは2歳ぐらいになると言葉がわかるようになるので、ちゃんと語りかける事も大切です。幼稚園が好きな子なら、「病気を早く治して幼稚園に行くために頑張って薬を飲もうね」とか、かわいいシールで興味を引いたり、待合のパズルや本で一緒に遊び、警戒心を解いたりする事もあります。それぞれの子どもに合わせて薬を飲む動機付けを行う事が大切だと思います。その為には、まずは患児と保護者両者とのコミュニケーションをしっかりと取ることが大事ですね。

製剤見本を取り寄せて研究し、ツールを作って服薬指導

患児や保護者に分かりやすく伝えられるように、私は新しく薬を採用する際には製剤見本を取り寄せて、自分で飲んで試します。味、香り、色、食感の他にも、子どもの口は小さいので少ない水で飲めるか、混ぜた状態で飲むとどんな感じがするのかなど、さまざまな角度からチェックしています。薬を提供したら、薬が飲めたかどうか、飲んだ時の反応はどうだったかを確認することも大事です。保護者や子どもからフィードバックしてもらった情報を蓄積していくと子どもの好みが掴めてくるので、それを次回の処方に生かします。
また、説明の際に服薬補助グッズや治療支援グッズ等を紹介する事も多いです。例えば散薬にはオブラートや服薬ゼリーを使うことがありますが、意外ときちんと使えていないケースがありました。正しい使い方を知らない方は多いんですね。そこで担当している患児にモデルになってもらい使い方を写真でわかりやすく説明したツールを作成しました、これを用いて服薬指導を行っています。患児たちに薬が上手に服用できたという成功体験を与える良いきっかけになればと思っています。

保護者に病態や服薬について理解してもらうことも大事

今後の目標は、やはり、保護者や患児がきちんと理解、納得したうえで薬を使用してもらいたいと思っています。
そのためには、保護者に子どもの病態を伝えて服薬の必要性を理解してもらうことも欠かせません。私は日頃から書籍などでいろいろな病態や薬についての理解を深めるとともに、保護者やドクターからヒアリングして、なぜこの薬が処方されたのかを掴むように努めています。そうすることで、 “お子さんが今どのような状態なのか” “なぜこの薬を飲む必要があるのか” “服薬するとどのような効果が期待できるのか”を詳しく保護者に説明できますから。子どもと保護者、双方へきめ細かくアプローチしながら薬を提供し、納得して服薬治療を行ってもらいたいと思っています。そして分かりやすくてよかったと言われると嬉しいですね。

私の勉強法

書籍やガイドライン、患者やドクターとのヒアリングから理解を深める
小児には突発性発疹やRSウイルス、クループ等の多く見られる疾患や、症状が時として成人患者とは異なることがあります。鼻腔や上気道の構造、体水分率、睡眠時間等、成人との違いなど色々なことを考慮に入れ分かりやすく説明できるように、仕事を始めた当初は色々な書籍を参考に一から勉強しました。保護者は患児の疾患や症状に戸惑いや不安を感じていることがあります。どのような疾患でこのような症状が出やすく、処方された薬がなぜ処方されたのか、どのような効果が期待されるのか。対応にはガイドラインの確認も欠かせませんが、個々の患児にあった「伝え方」ができる様さらに理解を深めたいと思っています。

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