薬剤師取材

薬剤師だからできる
患者さんの病気に寄り添う栄養サポート

まつもと薬局 本店 管理薬剤師  大野伴和先生

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お話を伺った、まつもと薬局 本店 管理薬剤師 大野伴和先生
(2020年12月取材)

栄養相談をはじめ、便利でおいしく健康に役立つ成分調整食品の通信販売にも力を入れているまつもと薬局さんに、薬剤師としてできる具体的な栄養サポートについてお話を伺いました。

(本記事は医薬情報おまとめ便内、特集企画「地域住民の健康を支える 栄養サポートへの第一歩」にて掲載した記事です。 )

疾患ごとに分けて考える栄養サポート。食生活改善のきっかけ作りにも一翼を担う。

まつもと薬局全体では、1店舗を除いて管理栄養士が常駐する態勢を整えています。栄養士が常駐する店舗で意識しているのは、栄養士が行う栄養相談と、薬剤師が関わる栄養相談でそれぞれの特色を出すこと。私の場合、まずは減塩、カロリー制限、カロリーアップ、カリウム・たんぱく制限といった、患者さんの疾患ごとに必要とされる栄養サポートを、それぞれ分けて考えています。

例えば、長年降圧薬を服用している高血圧の患者さんの場合は、塩分摂取量が気になるところ。患者さんが「塩分を控えている」と言っても、実際にどれくらいなのかは薬剤師には分かりません。このような場合、「ソルセイブ®️(食塩含浸濾紙)」を活用し、塩味の感覚がどの程度かご自身で確認してもらうなどしています。ソルセイブ®️は腎臓学会でも一般的で、医師が活用しているもの。実際の塩分と自分の塩味の感覚を自覚してもらい、どれくらいが「薄味」なのかを把握してもらうと、具体的な提案もしやすくなります。
カロリーダウンが必要になるのは、主に糖尿病、脂質異常症の患者さんですが、特に糖尿病で(食前血糖値は低めなのにHbA1cが高いなど)食後高血糖が疑われる場合には、「ウロペーパー(尿糖試験紙)」を活用しています。このように、それぞれの疾患ごとに必要な食事療養を見据えたきっかけ作りに力を入れています。

活用している「ウロペーパー(尿糖試験紙)」(左)と「ソルセイブ®️(食塩含浸濾紙)」(右)

処方箋の内容から、いま必要な栄養サポートを読み取る!

当薬局の近隣病院では透析患者さんの受け入れもあるため、腎臓病関連にも力を入れています。CKDステージ(G1〜G5)ごとの病態に応じてよく処方される薬があるほか、腎機能に応じた減量が必要な薬もあり、薬の処方内容から患者さんの病気の度合いについては把握することができます。
慢性腎臓病の場合、ステージG3a以降でたんぱく制限、G3b〜G4以降でカリウム制限が必要となってきます。たんぱく制限が始まると摂取する全体のカロリー量も減り、透析導入のころにはサルコペニア、フレイル状態になってしまう恐れもあるため、早めにカロリーアップの食事を取り入れることをご提案しています。

管理栄養士と薬剤師の相乗効果を生み出すための連携スタイル。

管理栄養士は、栄養相談を受けるごとに相談内容を薬局のレセコンの薬歴部分に入力しています。週1回開催するミーティングでは、相談内容から患者さんをピックアップし、薬剤師と栄養士が一緒になって今後の方向性を話し合います。薬剤師からは、患者さんの薬の情報を説明し、栄養士からは患者さんにどのような成分調整食品の商品をおすすめできるかといった提案をしてもらいます。
例えば、カロリーを控えめにしたい方には還元麦芽糖を使ったマービー®️シリーズの飴、カロリーアップが必要な方にはテルミール®️などの成分調整食品が好評です。薬剤師と管理栄養士お互いの情報を合わせ、次に患者さんが来局された際に指導できるようにまとめています。

目的別に分けられた健康食品・成分調整食品の売場

ルーティンの話を足がかりに、学会などで仕入れた知識で話を広げていく。

かつて病院薬剤師として勤務していたときは、栄養といえば輸液がメインでした。患者さんの食事について学ぶ機会はほとんどありませんでしたので、まつもと薬局に来てから、管理栄養士との合同ミーティングや書籍、腎臓学会などの学会に参加して栄養サポートの知識を積み重ねてきました。新しい情報を学会で仕入れたら、良さそうだなと思うものはまず実行するようにしていますが、多角的に患者さんを見るという点で、多職種が参加している学会に足を運ぶことはおすすめです。
ただ「栄養サポート」と大きな枠で捉えてしまうと関わる範囲も広くハードルも高くなってしまいますので、まずは塩分やカロリーなど、疾患の分類でルーティンとして伝えられるポイントを決めておくとよいかと思います。そしてそれをベースとして、トリアージ的に生活習慣や食生活に合わせた説明内容や順番を決めておくことも大切です。
 
薬の変更、また服薬指導時の聞き取りで得られる生活環境の情報から、患者さんにとって何が必要なのかを考えることが、薬剤師ならではの栄養サポートの一歩ではないかと思います。

 

株式会社まつもと薬局

北海道帯広市東6条南9丁目14-1
☎︎0155-67-6662(代表)
昭和58年開業。現在、帯広市内に5店舗、札幌市内に1店舗の計6店舗を運営。本店は地域の総合病院である帯広協会病院に隣接し、利用する患者さんの診療科目も多岐に渡る。日本栄養士会が設定した「栄養ケア・ステーション」として認定され、栄養サポートのサービス強化に取り組んでいる。


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