薬剤師取材

薬薬連携により精度の高い抗がん剤治療へ介入 〜前例のない敷地内薬局でゼロから連携を構築〜

株式会社ファーマシィ ファーマシィ薬局益田センター 山根孝太先生

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広島県、岡山県を中心に全国で95店舗(2020年9月現在)を展開する株式会社ファーマシィ。2017年には全国初の敷地内薬局としてファーマシィ薬局益田センター(島根県益田市)をオープンしました。がん治療へ介入する上で必須となる基幹病院との連携体制を粘り強い取り組みによって構築し、地域薬局をけん引してきた山根孝太先生に薬薬連携のあり方や薬局薬剤師ががん治療に関わるやりがいなどを伺いました。

経験の少ない疾病の介入へ
まずは自身のスキルアップから

ファーマシィ薬局益田センターは2017年6月、全国初の敷地内薬局として、益田赤十字病院敷地内に開局しました。薬剤師6人、医療事務5人、管理栄養士1人を配し、365日年中無休で処方せんに対応しています。処方せん受付枚数は月間平均2200枚、平日は1日平均約100枚に上ります。


主たる応需先の益田赤十字病院は、島根西部で数少ない基幹病院です。
そのため県内はもちろん広島北部や山口東部まで、広い地域から、幅広い疾患を持つ患者さまが受診します。これまでいた都内の薬局では、抗がん剤の服薬指導をすることはせいぜい月に1回あるかどうか。しかし益田センターに来てからは、医療資源に乏しい地域での基幹病院の門前ということで、地域のがん患者さまが集中し、多い日は1日10~20人の抗がん剤の服薬指導を行うようになりました。


基幹病院とがん治療について連携をスタートしたとき、正直に言うと不安を覚えました。

それまで生活習慣病などの薬は日常的に扱っていましたが、抗がん剤となるとまるで経験が足りません。実際の服薬指導でも、最初は添付文書に沿った型通りの説明しかできず、患者さまの副作用を適切にフォローできないことで悔しい思いをしました。


そこでまずは自分がしっかり知識を身につけようと、日本臨床腫瘍薬学会などの学会に参加しました。今のようにオンライン研修はなかったので、土日を利用して近くは広島や福岡、遠くは東京、札幌などの学術大会、勉強会に足を運びました。同時に、連携先の病院で採用されているレジメン1つ1つについて調べ、専門書を何冊も読んで勉強しました。

連携事例を持参し
連日のように薬剤部を訪問

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