薬剤師取材

粉砕調剤からの切替提案で調剤時間の短縮 ~薬剤師と患者のための時間を創出~

東京都 ファーマシィ薬局恵比寿中央 木村亜美先生

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学生時代、実務実習先で在宅の訪問服薬指導に同行した際、指導薬剤師の「在宅はこれから絶対に必要になる」という言葉が印象に残り、在宅ではOTCの知識が必要になると考え卒業後は、まずOTCの知識を得るためにドラックストアの調剤部門からキャリアをスタートした。その後、3年前にファーマシィへ転職。現在は、健康サポート薬局のファーマシィ薬局恵比寿中央で「在宅医療」と「かかりつけ薬剤師」、それぞれの課題に取り組んでいる。

初めての在宅では、様々な課題に直面

ファーマシィが在宅医療に力を入れて取り組んでいる会社だということで入社しました。入社後、施設の在宅支援を任されることになり、最初は緊張もしました。慣れていないこともあり往診同行時、医師のスピードに合わせるのがとても大変で、施設入所時に患者さんがご自宅から持参された残薬の管理や入院後の処方変更などにも苦労しました。その中でも最も課題に感じたのは「粉砕調剤」でした。
粉砕処方が入ると、調剤で2時間近くかかってしまっていました。また粉砕した薬剤が、施設で保管している間に配合変化で粉が固まってしまったことや、薬が何種類もあることで看護師さんの管理が大変になるといった課題に直面していました。

粉砕からの切り替えを提案

その問題を解決する方法がないかを探る中で、経管投与の患者に繁用されている簡易懸濁法を在宅の現場で活用しているケースがあることを知りました。これまで経験したことがなかったので、私自身、最初は少しとまどいがありました。しかし、さらに調べていくうちに安全性も確認でき、また、ちょうど施設の看護師さんが変わるタイミングだったので、切り替えの提案をしました。すると、新任の看護師さんが簡易懸濁法の経験がある方だったので、ご理解をいただき、スムーズに切り替えることとなりました。
簡易懸濁法で服用してもらうために、処方時に散剤があるものは散剤に、なければOD錠へ、OD錠がなくてもジェネリック医薬品で代替薬があれば、処方を変更していただいています。また、実際に服薬に携わる看護師さんと施設スタッフが適切に管理できるように、どの薬が簡易懸濁できるものか患者さんごとにリスト化し、その資料(写真1)をお渡ししています。

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