通りかかれば声を掛け合う、地域に根ざした存在の「くりの木薬局」
患者さんの日常生活に密着しているからこそ、本当に必要とされている医薬品が何かもわかるのだそう。整形外科患者さんを通して薬剤の選択で大切な事について、お話を伺いました。
(本記事は医薬情報おまとめ便内、特集企画「患者さんに最適な薬剤選択とは?~ジェネリック医薬品の活用を踏まえて~」にて掲載した記事です。 )
70~90代の高齢者を中心に在宅医療も
「くりの木薬局」さんの特徴について教えてください
地域密着型の健康情報の拠点として今年の6月で開局17年目を迎えます。患者層は近所の特別養護学校や小中学校の生徒さん、また交通事故の方、労災認定の方もいらっしゃいますが、ほとんどが整形外科に通われる70~90代の高齢者です。疾患については腰痛や膝の痛みなど、年齢を重ねると皆さんお悩みになるものが多いですね。また、高齢者の場合、疾患をいくつか併せ持っていて複数の病院に通われている方もいますが、待ち時間が長いと辛いので、整形外科のリハビリに来られるついでに内科のお薬もお願いされるケースも増えてきました。現在、外来のほかでは、高齢者施設2件と在宅患者さんも15名程いらっしゃいますが、在宅訪問の範囲は自転車で行ける範囲内におさめています。やっぱり、何かあったときにすぐに駆け付けることが出来なければかかりつけ薬局の意味もないと思いますし、何より患者さんの気持ちに寄り添った医療を目指していきたいというのが根底にあります。OTC医薬品販売も取り扱っていますが、サポーターやネット包帯、指サックなどのサンプルを設置し、サイズや使用感を試してもらえるようにしています。
使いやすさと分かりやすさに留意
患者さんのタイプに合わせた薬剤の選択は?
整形外科にかかる高齢者患者さんの場合、ダントツで使用されるのが湿布薬です。ただ、独居の方などはご自分では背中に貼りにくかったりしますので、ケアマネジャーさんを通して看護師さんに貼ってもらうようにお願いしたりしています。また、若い方の場合はそこまで気にするところではないのですが、乾燥した高齢者の皮膚では粘着力が強い湿布薬だとくっついてしまったりするので、粘着力の弱いものにした方がいいこともありますし、先生と相談して塗り薬に替えたりもします。
それから、高齢者の方は「ピンクのシート」とか「白い錠剤」といったように、薬を色とか剤型で把握している方がとても多いんです。例えば、先発でピンク色だったものが後発でシルバーになったりすると、薬効自体は同じものであっても「これじゃない」と認識されて「効かない」と勘違いされてしまう事もあるんですよ。ですから、後発へと切り替える際は、先発の色や剤型に近いものを選ぶようにしています。(※ア・イ)
使いやすい医薬品が増えました
ジェネリック医薬品のメリットとデメリットは?