薬剤師取材

「女性」にやさしい健康サポート薬局とは 〜鹿児島県の取組み①〜

公益社団法人 鹿児島県薬剤師会 常務理事 宮之原麻里先生

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お話を伺った宮之原麻里先生。(2017年1月取材)

慌ただしい毎日のなか、ついつい疎かになってしまうのが健康管理。とくに女性は年齢に応じて体調に様々なトラブルを抱えがちです。そんななか、鹿児島県では平成20年3月より、女性の健康問題に対応する「女性の健康サポート薬局(※1)」の指定を開始。実際にどんな取り組みが行われているのでしょう。いま、薬剤師ができるサポートを紐解くべく、現地取材して来ました。

「女性にやさしい薬局(※1)」として、事業を開始したきっかけと現状についてお聞かせください。

もともとは厚生労働省が推奨する「健康日本21」の施策のひとつ“性差に配慮した健康づくりを支援し、受診・相談しやすい医療環境の整備”に位置づけられて始まりました。それを鹿児島県では「健康かごしま21」とし“女性の生涯を通じた総合的な健康づくりの支援や正しい知識の普及、ニーズに合わせた相談対応策”などを目的として活動しています。
実のところ、47都道府県のなかでも鹿児島県は、がんの検診率が低いんですね。働く女性が増加する昨今、乳がんや子宮がんなどの早期発見につながる検診率をアップさせたいという事も取り組みの重要なポイントとなります。
こうした啓発は県から薬局に配布されるリーフレットやピンクリボンのポスターで、だいぶできたと思います。また、「女性にやさしい薬局(※1)」というネーミングから、女性が気軽に立ち寄ったり、安心して健康相談のできる薬局だという認知度も少しずつですが、上がっていると思います。

「女性の健康支援セミナー」を通じ健康意識を高める活動を

現在、県内の薬局は850軒。うち、「女性にやさしい薬局(※1)」は、まだ31軒なんです。実際に手を上げてくださる薬局は100軒以上あるのですが、指定までのハードルが高いことがネックです。指定条件は6つあり、全てを満たさねばなりません。例えば「健康かごしま21推進薬局である」ことのなかでの、禁煙支援薬剤師がいる薬局であるとか、指定要件がいささか厳しすぎることが県下各市町村に点在していかない要因かと…。現在、健康増進課に緩和のお願いをしているところなんです。(※2)
また、鹿児島県薬剤師会では鹿児島県からの委託で「女性の健康支援セミナー」を開催していますが、先の指定要件のひとつにもある公開講座のほか、20歳前後の学生が対象の講座にも力をいれています。思春期から老年期にかけての女性の体のサイクルを通じ、若いうちから自分の体のことをよく知ってもらうことが狙いです。最近は42年ぶりに梅毒が急増していますが、性感染症や月経周期と妊娠力についてなど、凝縮された60分の講演には大きな反響があります。今後も女性が興味あるテーマを発信していきたいですね。それから、いまは医薬分業の結果“薬局は処方箋薬をもらいに行く所”、“ドラッグストアは売薬を買いに行く所”そんなふうにとらえられがちですが、本来「薬局」は医薬品調剤をするだけでなく、病気になる前に健康相談をする所。いわば、「町の保健室」といった役割を担う場所でありたいと考えています。

 

(※1)H29.4より「女性の健康サポート薬局」から「女性にやさしい薬局」へ名称が変わりました。
(※2)禁煙支援薬剤師については、今回の取材の後に要件から外されることになりました。

 

<鹿児島県薬剤師会>

鹿児島県鹿児島市与次郎2-8-15
☎099-257-8288

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