薬剤師取材

フィジカルアセスメント研修や情報発信から薬局メンバー全体レベルの引き上げを

なの花薬局東大宮店 内藤友博先生

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新卒で株式会社メディカルシステムネットワークグループに入社し、現在8年目の内藤先生。なの花薬局 東大宮店で業務をこなす傍ら、下記のような様々な取り組みを行われています。
 ・薬剤師の薬歴記載と服薬指導の質の向上を目的とした動画制作
 ・動画をYouTubeにアップしそれをLINE配信
 ・薬歴に関するワーキンググループに参加し薬歴記載に関する研修実施
 ・フィジカルアセスメント研修の講師を勤める 等
今回はその取り組みとその背景にある想いをお伺いしました。

フィジカルアセスメント研修で「薬剤師の本分は薬学」と実感。薬剤師の地位向上へ

様々な取り組みの根本にあるのは、学生時代から感じている「薬剤師の地位を向上させたい」という想いです。私は薬学部6年制の第一期生なのですが、実習先の病院で医師と話をしている時に、「6年制になって、何か変わった?」と聞かれました。4年制から6年制になったことで学ぶ分野も増えましたので、患者様や多職種の方は今後より一層、薬剤師の活躍を期待しているのではないかと感じました。そこで学生の頃は薬剤師の業務の幅を広げるため、在宅でアロマテラピーの専門性を持って活躍する薬剤師になりたいと考えました。
しかし、業務の幅を広げるといっても薬剤師にとってアロマはあくまでも+αです。それに気づいたのは、日本在宅薬学会(以下:日在薬)のフィジカルアセスメント研修の研修を受けた時でした。研修を通じて「薬剤師の本分は薬学」であるということを改めて考えさせられ、薬剤師はもっと”薬”の部分で力を発揮できることがあるのではないかと感じました。
また、いつも学会に行くと思うことですが、目を引く発表を行なっているのは中小の薬局が多く、その姿勢からはもっと薬剤師が表に出ていかなければいけないという想いが伝わってきます。このように中小の薬局が積極的に動かれている今、大手の薬局もこれまで以上により行動をしていかなければ、薬剤師の地位向上を実現することはできないと考えています。 そのためには私はまず、社内の人たちに対して行動を起こしていこうと考え、取り組みを行っています。きっとこれらの想いが自分を突き動かす原動力なのだと思います。

薬剤師のレベルの底上げを目的としてフィジカルアセスメント研修を実施

前述の社内で行われた日在薬のフィジカルアセスメント研修を受けたことがきっかけで、社内でもフィジカルアセスメント研修を取り入れるようにしました。取り入れた理由として、薬剤師がバイタルをとって患者様をみていくということに、とても衝撃を受け、過去に在宅業務を行なっていた当時の自分にこの知識があったらもっとできることがあったのではないだろうかと感じ、そして、若手薬剤師を中心にフィジカルアセスメント研修を行えば、薬剤師のレベルの底上げができるのではないかと考えたからです。ただ単にバイタルをとっていく活動を推していくというよりは、これから薬剤師が専門性を発揮していくためにはどうすればいいのか?という想いを強く投げかけることを意識して、研修を実施しています。
このような私の取り組みはサポートもあり、弊社の訪問看護師とタッグを組み、これまでに東京、静岡、茨城で研修を行いました。社外の方も参加できるようオープンな研修会としているので、グループ会社の垣根を超えたいと考えています。今後は、北海道や大阪でも研修を行なう予定です。

薬歴に関する動画を制作しYouTubeで配信

今後も勉強会は継続していきたいですし、かかりつけ薬剤師について患者さまのメリットを多くの方にお伝えしていきたいと考えています。また、管理薬剤師の私はメーカーさんからも多く情報をいただける状況にあるため若い勤務薬剤師に対して情報を落とし込み、薬局・薬剤師の未来を見据えた勉強を中心にやっていければと思っています。
勉強会を取り組む前までは、私は受け身の立場で業務をこなしていました。これからは自分の思うことを発信して、周囲の薬剤師のモチベーションや業務の質の向上、環境改善などに働きかけていきたいと思います。

別で取り組んでいることとして、3,4年前から社内ワーキンググループの「薬歴チーム」への参加があります。有志で集まった5,6人のチームなのですが、一段レベルの高い話が見聞きでき、とても刺激になっています。チームの活動ポリシーは、どうしたら、「算定をするだけの薬歴」ではなく「患者様のためになる薬歴」になるかを考え、社内に広めることです。具体的な活動としては、算定要件を満たしつつ効率的に薬歴を書くための定型文のようなものを作成し、疾患に関する知識を加えて書面化したもの配信しています。
しかし、書面だけではなかなか伝わりにくく、特に若い薬剤師に響かせるためにはどうしたらいいのかと考え、若い薬剤師に馴染み深いコンテンツとして動画に行き着きました。現在は動画の制作を行い、YouTubeに投稿し、それをLINEで社内限定に配信しています。

また、店舗内での工夫として、薬局のスタッフ専用のトイレに張り紙をしています。これは最新の医薬行政の動向に意識を向けてもらうためです。例えば、昨年末に「薬機法制度改正に関するとりまとめ」が出た時は、「自分たちの仕事がこのように変わるかもしれない」と分かりやすく要点をまとめて張り出しました。国が定めた法律等が、実際の業務にどう影響が出るのか可視化することで、より身近に感じることができますし、「薬剤師に求められていることは何か」ということを改めて考えることができます。張り紙をしたことで、それを見た薬剤師が疑問に感じる箇所や詳細について自発的に聞きに来てくれることもあり、効果はあるのではと考えています。

プレアボイドを100件以上報告。専門性を磨き、胸を張れる薬剤師を増やしたい

調剤業務のあり方について」(薬生総発0402第 1号)の通知や、「薬機法制度改正に関するとりまとめ」の内容を見ても、今が薬剤師にとっての転換期だと感じています。この数年で薬剤師の未来が大きく変わるでしょう。国が提示したことに合わせてやっていくのも一つの模範だと思いますが、国に対して「薬剤師はこれだけ凄いことが出来る」とアピールをすることも大事だと思います。そして最終的に、現場で患者様と多職種の方たちに「やっぱり薬剤師は必要だよ」と認めてもらえたら、点数は後から付いてくるものだと考えています。
私が勤務している店舗では、プレアボイドの報告を、薬剤師の職能を外部へアピールするための手段と捉え、100件以上出しました。初めは「いつもやっていることだから…」と消極的だった薬剤師にも「報告書を出さなければ薬剤師は何もやっていないのと一緒だよ」と言い続けた結果、今ではプレアボイドの報告書を嬉しそうに持ってくるようになり、業務に対してのモチベーションアップへとつながりました。取り組みを通して、自分たちの専門性に自信を持ち、職能をアピールできるような薬剤師を増やしていきたいと思います。


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