【Pick up1】
四方山話
この年になって様々な事に挑戦するようになりました。30代後半までは、いわゆる普通の薬剤師として日々患者さんと向き合ってきました。それはそれで楽しかったです。
私の転機は38歳の時でした。転職先のお仕事の関係で「薬剤師」という存在について法や制度の観点から見つめなおすようになったのです。同時に一気に世界が拡がり、様々な方と出会うようになりました。それまで私は、普通の薬剤師が「1」考えているなら「2」「3」考えている自負がありました。しかしその拡がった世界にいたのは「5」とか「10」考えている人たちだったのです。私は人生で初めて『井の中の蛙』という言葉を認識したのです。
負けじと私も「5」や「10」に到達しようかという時に気付いたのが、さらに上の「20」とか「30」の世界でした。なんと、それまでその存在にさえ気付かなかったのです。この調子でいくと、知らないだけでおそらく「50」や「100」の世界も存在するのでしょう。ヤヴァイですね。
一つ良かったことと言えば、高次元の存在を理解できたことです。ずっと下の次元にいたのでそちら側もよく分かっていますし、上の世界も下の世界も知っているのって意外と貴重な気もします。これだけでも挑戦して良かったなと思っています。
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グランマ・モーゼスという画家がいます。彼女はアメリカの片田舎でずーっと農婦をしていました。ある日、絵を描き始めます。モーゼス75歳の時です。初の個展は80歳の時だそうです。最終的に101歳で亡くなるまで画家としてたくさんの作品を残しました。もちろん運もあったでしょうけど、「絵を描こう」と思わなければそういう人生は存在しなかったわけです。
このような話を聞くたびに思い出すのが『なにをするにも遅すぎる事はない』という言葉です。時間は永遠に流れますし、止めることも緩めることもできません。この文章を読んでいる今まさしくその時点が、あなたの人生で一番若い状態、という事実のみです。
自分には何が出来るのか、何をしたいのか。そしてそれはいつスタートするのか。
もし何かを変えたいと思うならば、一度この辺を整理してみても良いのかもしれません。
・・・なんか人生のコンサルみたいな話になってしまいました。