薬剤師こだわり図鑑
健康サポートにこだわり vol.4

“服薬指導の質を求める
かかりつけ薬剤師”を目指したい
~テレフォンフォローアップの取り組みで、真摯に患者さまに向き合う~

日本調剤 桒原惇先生

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日本調剤株式会社では、薬剤師が患者さまの来局日以外の服薬期間中に患者さまへ電話をかけ、投薬後の服薬状況・副作用の発生状況などを確認する「テレフォンフォローアップ」の取り組みを始めている。同社に新卒入社し、2年目を迎えた桒原 惇先生は、自らの志を持ってこの取り組みに向き合うことで、薬剤師としてのやりがいを強く感じるようになったと話す。

患者さまとの会話を通して気づいた
テレフォンフォローアップの意義

現在、国が薬剤師に求めていることの1つとして、服薬期間中のフォローが挙げられます。そこで昨年の夏頃からテレフォンフォローアップを行うようになりました。
当初、テレフォンフォローアップの対象は、抗がん剤を初めて処方された方が中心でしたが、その他にも生活習慣病などで長期に渡りお薬を服用されている方や、受診のタイミングを過ぎても来局されていない方など、テレフォンフォローアップの範囲は広がりました。その際、「お薬は服用できていますか」、「他の薬局に行かれましたか」など患者さまの近況について確認するのですが、薬局からの突然の電話に驚かれたり、電話に出ていただけなかったりしたことがありました。 そこで、お電話する前にテレフォンフォローアップの目的や、患者さまのお力になりたい旨をきちんと伝えていくうちに、お相手の緊張も解け、最終的には「あなたが連絡してくれて本当に良かった」というお声も頂くようになり、こちらの誠意が伝わったのだと嬉しく思いました。
誠意を伝えるためには、他人に言われたからや仕事だから行うという気持ちでは患者さまには響きません。自らテレフォンフォローアップの意義を考え、行動することが大切であると私は考えています。また患者さまからの反応が、自分自身のモチベーションに繋がることを感じています。

服薬指導とテレフォンフォローアップを繋げて
患者さまとの信頼関係を築く

フォローアップの際には、服薬指導時のコミュニケーションも重要となってきます。
ある時、抗がん剤を処方された患者さまから服薬指導の際に、「医師から副作用が出るかもしれないと言われたが、体に湿疹が出たら入浴はしてもいいのか」と相談を頂いたことがありました。その時は、副作用が発生する可能性を考慮し、2週間後にお電話することを予めお伝えしました。

患者さまに2週間後お電話すると、私のことを覚えていてくださり、その後の経過や不安事などを含め、30分ほどお話をしてくださりました。
その後また患者さまが次の受診で来局された際、自ら服薬指導を申し出ました。すると、患者さまからも「あなたが言ってくれたことを医師に伝えたら『そのまま継続してください』と言われたので、とても安心しました」と言っていただき、患者さまと良い関係を築くことができたと実感しました。
抗がん剤を初めて飲まれる方の不安感は相当なもの。その患者さまの不安感を和らげるように応対することを心がけています。今後はさらに、テレフォンフォローアップを通して気になったことをトレーシングレポートとして医師にフィードバックし、薬歴にもしっかり残すことで、医師との良い連携を築くことにも繋げられればと思います。

活動を通して、自分が理想とする
「かかりつけ薬剤師」像を発見

テレフォンフォローアップに関して、回数を重ねていくに従って、どんどんスムーズに行うことができるようになりました。
その中で、ずっと同じお薬を服用し、副作用が出ていない患者さまをフォローするのではなく、新しくお薬が処方された方や処方変更があった方、抗がん剤を飲み始めた方に絞り、テレフォンフォローアップを行うようにしています。人数にすると平均して月に3人ぐらいの方にご連絡しています。
一見、応対する患者さまの数が少ないように見えるかも知れませんが、それは私がそのような患者さま特有の疑問や不安に対して真摯に向き合うことを大切にしたいからです。例えば来局時の服薬指導の際、副作用の可能性はしっかり説明しますが、抗がん剤に対して、その場だけでは患者さまの不安を拭い去ることはできないと考えており、テレフォンフォローアップを重ねることが、患者さまの不安を取り除く有効な手段であると実感していますし、薬剤師の活動としてやりがいを感じます。
また、過去にフォローした患者さまで、しばらく来局されていない方にも気にかけるようにしています。そのような患者さまには、「お薬足りていますか?困っていることはありませんか?」など、患者さまに寄り添うような形でのテレフォンフォローアップを行うことで、コミュニケーションを築くように心がけています。

薬剤師になって2年目。かかりつけ薬剤師になるのはまだ先で、この取り組み前は、自分がかかりつけ薬剤師になるイメージはまだ湧きませんでした。しかし何度も患者さまとお話をしているうちに、「患者さまと向き合うかかりつけ薬剤師」になりたいという自分なりの理想像が見えてきました。今は患者さまに対して、細心の注意を払ってフォローを行い、服薬指導の質を追究する、かかりつけ薬剤師を目指したいと考えています。若手の私に今できることは、まず患者さまに顔を覚えてもらうことだと思います。そして医師には遠慮して薬のことが相談できず、薬剤師にも話しかけにくいと感じられている患者さまのために気軽に相談に乗れる薬剤師になることが目標です。患者さまが不安だと思ったことに的確にアドバイスできるように、これからももっと勉強をしていきたいと思います。

勉強のために活用している書籍

「臨床検査専門医が教える 異常値の読み方が身につく本」村上 純子著(じほう)

薬局の前にある病院が処方せんに検査値を記載するようになったので、検査値を確認しながら患者さまにお話を伺うようにしています。検査値は難しいので、先輩が学会で購入してきてくれたこの本で検査値の読み方、異常値・パニック値の判断について勉強をしています。

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