在宅医療に特化した薬局で「訪問薬剤師」として患者様のご自宅に訪問
病院で振り出され、持ってこられた処方箋に対して調剤するのが薬剤師の仕事だと思っている方も多いと思います。実際に以前の私もそうでした。しかし、砧店に配属になって「薬局に処方箋を持って来られない患者様もいらっしゃるんだ」と知った時の衝撃や、薬剤師と患者様の間には医師やケアマネジャーさんがいるからこそ繋がっているのだと実感した時に「1枚の処方箋の重み」を痛感しました。また在宅医療は高齢者だけのものではなく、国立成育医療研究センターがあることもあって、小さいお子さんや成人でも必要とされている方は大勢います。
医師、看護師、ケアマネジャーや薬剤師、そして地域の連携機関との繋がりが、いかに在宅医療にとって重要かを、身をもって感じています。
当店では在宅をメインにして9年ほど経ち、のべ900名ほどの患者様を担当してきましたが、85%が在宅という、かなり珍しい形態だと思います。連携する医療機関も100機関を超えており、「在宅面分業」として店舗をアピールしているところです(笑)。
私自身も管理薬剤師ではありますが「訪問薬剤師」という言葉を使って患者様のご自宅に伺う在宅医療をメインに行っています。いわゆる店舗内での調剤は、基本的には私を指名してくださる患者様にだけ応対しています。当店では在宅医療もかかりつけ薬剤師が担当していて、私が担当している患者様の数は在宅医療で33名、外来調剤で15名です。
よく「川名先生はなぜ在宅医療に関心を持ったのですか?」と聞かれますが、当店が在宅医療に特化した薬局であったと同時に、私の上司である初田稔が地域の医療機関と連携して在宅医療に取り組む姿を間近で見て「薬剤師として私が進むべき道はこれだ」と思ったのがきっかけです。