
手帳の記録は、自分自身の健康の歴史
おくすり手帳というのは、これまで自分が服薬した薬の履歴を残すことができる“健康の歴史”のようなものです。そんな手帳を使えるようにする上で大切なのが、患者さんに服薬している薬の情報をしっかりと記録してもらうこと。普段から飲んでいる薬はもちろん、薬を飲んだときに出た副作用や、ホームドクター以外の病院で受診したときの薬の内容なども一緒にメモしてもらうことで、患者さんがいつでも自分の健康状態を振り返られるようにするんです。
患者と医師と薬剤師をつなげる手段にも
手帳に書かれた患者さんの健康の歴史は、実は病院のお医者さんにも見せることが大切なんじゃないかと考えています。そのため、患者さんに『病院でも必ず見せるようにしてね』と声をかけたり、それを忘れてしまいそうな方には手帳に付箋を貼り付けたりもします。また、患者さんによっては、検査値の結果を挟み込んでくれていたり診察の様子をメモしてくれている方もいるので、そこから患者さんの状態やお医者さんの処方意図などを理解する手がかりにすることもあります。おくすり手帳は医師、患者、薬剤師をつなぐツールとしてもとても有効なので、深く患者さんに寄り添うためには不可欠だと実感しています。
地域のために健康の啓蒙活動も!
私には『薬剤師は、健康を相談する“地域の窓口”である』という想いが強くあって、おせっかいなくらい患者さんのことを気にかけるようにしているんです。その中で、特に患者さんに伝えるようにしているのが、数百円で受けられる市の検診に行くことです。病院というのは体調が悪くなってはじめて行くケースが多い場所ですが、健康のことを考えれば、そうなる前の段階で自分の状態を知ることが何よりも重要。特に女性の場合は、乳がんや子宮がんのリスクもあるので、検診の重要性はこれからも伝えていきたいと思っています。
活用推進グッズ

おくすり手帳活用術
おくすり手帳の使い方がイラストでわかりやすく紹介されている冊子です(写真左)。最初の頃はこれを読んで参考にしていました。

おくすり手帳カバー
手帳が2つ挟めるものは血圧手帳を入れてお医者さんに見せるよう伝えます。ポケットが多いものは、診察券を入れるのに便利です。