「薬剤師メディカルラリー」で救命対応ができる薬剤師の育成を目指す
以前は、私自身「薬剤師も医療従事者である」という自負を持ちながらも、心肺蘇生すらできないことに不安を感じている時期がありました。医療従事者でありながら目の前で誰かが倒れたとして、救急隊員が駆けつけるまで何もできない自分でよいのかーと。そんなとき、知人の紹介で日本救急医学会が主催するICLSコース(医療従事者のための蘇生トレーニングコース)に参加したのが、現在に繋がるきっかけとなりました。やる気を育てる指導をしてくださるインストラクターの方々に触れ、自分でも教えることへの興味が湧いてきて、9年前にはインストラクターにもなりました。ただ、心肺蘇生はできても、それだけではいざという時に足りないとも思うようになったんです。とはいえ、救急救命を学べるプログラムは薬剤師には門戸が開かれていないことが多いんですよね。無理言って伝手を頼りに学ばせていただいていたんですが、やはり自分たちでも何とかしたいということで、緊急時に救命対応ができる薬剤師を育成することを目指して「薬剤師メディカルラリー」を始めたのが5年前になります。