薬剤師取材

OTC医薬品を通じた健康サポート薬局の取組み

マロン薬局西国立店 薬局長 兼 管理薬剤師  川崎啓子先生

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お話を伺った川崎啓子先生。(中央)(2019年6月取材)

地域の方々のお悩み、相談に広く対応し、頼りになる薬局であるために、
OTC医薬品はなくてはならない存在。

地域医療支援病院である立川病院の前に店舗を構えるマロン薬局西国立店では、複数の疾患を持つ高齢者や難病、癌治療中の患者さん、認知症の患者さんが多く来局。
通院患者の高度薬学管理はもちろん、地域の人々に寄り添い、頼りにされる薬局を目指してOTC医薬品の充実にも力を注いでいます。

地域住民の健康サポートを充実させるため、
OTC医薬品の販売をスタート。

OTC医薬品を取り揃えたきっかけは何ですか?

開局時から地域の方々の健康サポート機能の充実を目標として健康サポート薬局の認定取得を考えていましたが、認定の取得自体を目指すというよりは、私たちが考える薬局の理想像と健康サポート薬局の条件が重なったので、必然的にそれが目標となりました。私が理想とする薬局は、処方箋が入場券のようになっている薬局ではなく、患者さんとのコミュニケーションを大切にして関係性を作っていくことで生まれる、地域の方々が気軽に立ち寄れる、街の休憩所のような場所。近くにドラッグストアがないこともあり、なるべく充実した健康サポートをと考えるとOTC医薬品は必要なものでした。
基本的な薬効群として指定されている48品目を各1種類から取り扱い始めて、現在では80種以上を販売しています。狭いスペースですが、奥の商品はブロックなどに乗せて高さを出すなどの工夫をして、患者さんが目的の商品を探しやすいように、POPもスタッフそれぞれが楽しんで作っています。
48品目以外でよく患者さんにおすすめするのは栄養補助食品ですね。高齢の患者さんから「知らず知らずのうちに体重が減ってしまった」「思うように食事がとれない」という相談をいただくことが多く、そういった方には、食事にプラスするだけで手軽に栄養補給ができる「すっきりクリミール」をおすすめすることが多いですが、独居の患者さんや認知症で食事作りが難しくなった患者さんには、介護サービスや配食サービス(宅配弁当)をおすすめすることもあります。フレイルの入り口にいる高齢者の発見は、薬局薬剤師だからこそできることだと考えていますので、そこは見逃さないように、最近では高齢の患者さんには自宅での体重測定をお声がけしています。
その他、便秘でお悩みの方も多いので「ビフィズス菌末」が人気になっています。除菌・消臭・花粉対策ができるスプレー「セイバープラスZ」をお求めの方も多いですね。
消費期限切れのOTC医薬品の廃棄について気にされる薬局も多いかと思うのですが、通常の医薬品の廃棄に比べれば金額も管理の難易度も低いので、私たちはそこまで気にしていません。患者さんが必要とするときに、きちんと取り揃えがあることが何より大切だと思うので、たとえ多少の廃棄が出たとしても、それはちゃんと役割を果たしたのだという思いで取り扱っています。

セルフメディケーションの促進に
つながっていると感じています。

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