患者さんやご家族だけでなく、薬剤師をはじめとする医療関係者にも誤った認識をもたれがちだという精神疾患。線引きが難しく、専門性の高い領域だけに、「精神科薬物療法認定薬剤師」に求められる役割とはどのようなものなのか、関連書籍などにも執筆されているゆう薬局の中田先生にお話を伺いました。
精神科薬物療法認定を取得し、
精神疾患への専門性を追求。
私は現在、岐阜県高山市内の「ゆう薬局」にて薬剤師兼経営者として勤務しています。精神科には以前から興味を持っていたのですが、そもそも精神科では、本当に精神疾患なのかどうか、治療の対象になるのかどうか……線引きが難しい場合もありますよね。時には「気持ちの問題」などと精神論で片付けられてしまうこともありますし、精神疾患というだけで、偏見の目で見られたりすることもあり、周囲の人間に勘違いされてしまうこともあります。医師によって診断が変わることも珍しくなく、「本当にこの薬で良いのだろうか?」という疑問や捉え難さも加わり、高度な専門知識が求められる分野だと考えるようになりました。そんな時、薬局薬剤師でも取得できるように認定制度が改正されたと聞き、精神科薬物療法認定の取得を目指そうと決意しました。
自分のスキルがどの程度なのか、
それを知る客観的な基準として。
当薬局は精神科や心療内科のある須田病院の近隣に立地しています。精神科に対する経験値が多いため必然的に精神疾患に詳しいと思われがちですが、経験値があるからといって詳しいということにはなりません。もちろん、私自身も精神科の近隣の薬局として最低限のスキルを持っているべきとの思いから、自分なりに日々勉強したり研修会に参加してきたつもりですが、それが実際にどの程度のレベルのものなのか、単なる自己満足なのか判断がつかないでいました。ですから客観的に評価されるスキルを持たなければという思いが重なったのも認定取得を考えたきっかけでした。