薬剤師取材

コロナ禍で消毒薬を薬局で配布。近隣住民の適正使用を促す

マスカット薬局 医薬品情報管理部門 安倉央 部門長

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国立病院機構岡山医療センターの門前に位置する本店をはじめとして、岡山県内全域にまたがり14店舗を展開し、薬剤師数56人、管理栄養士1人、事務員45人(登録販売者20人を含む)を擁するマスカット薬局は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、次亜塩素酸水の無償配布に取り組んでいる。医薬品情報管理部門の安倉央部門長に、次亜塩素酸水配布の背景と薬局・薬剤師が今、果たすべき役割などを伺った。

「消毒薬が手に入らない!」
地域住民の課題を解決するために薬剤師ができることとは

当社では新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、4月初旬から全店舗で次亜塩素酸水の無償配布を行っています。

きっかけは、当社の髙橋正志代表取締役が代表理事を務める、岡山県中小企業家同友会内で「消毒薬が入手困難。なんとかならないだろうか」という相談を持ちかけられたことでした。薬局店頭でも患者さまから消毒薬やマスク、体温計などに関する相談が増えていたことから、「衛生管理や消毒薬であれば、薬剤師が果たすべき役割」と、無償配布に踏み切りました。現在までに、全店で約200本分のボトルと地域包括支援センターなど20カ所以上の事業所へ配布を行いました(2020年4月23日時点)。

導入にあたっては、次亜塩素酸水の適正使用に関する知識をまとめた文書を作成し、職員間で情報共有しました。その上で、店内に除菌水の無料配布のお知らせを掲示し、患者さまへ周知を行っています。処方箋をもって来局した患者さまがポスターを見て「除菌水がほしい」ということもあれば、地域包括支援センターや介護老人保健施設など福祉施設のスタッフから求められることも多いですね。

配布している次亜塩素酸水はpHが6.0、濃度は50ppmのもの。50ppmは机やドアノブなど人が触れるの物の消毒に適した濃度です。原末(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)1包で5000mlの次亜塩素酸水を作ることができるため、1回500mlに小分けして店頭で配布しています。希望する患者さまにはペットボトルなどを持参していただいていますが、そうした準備がない場合は薬局にある水剤の遮光ボトルに入れて渡しています。あらかじめ作り置きなどはせず、患者さまから要望を受けてその都度、ボトルに小分けしています。小分けする作業は手間がかかりませんが、渡す際には保管方法や正しい使い方など、適正使用に関する説明をするため、ある程度の手間と時間は必要です。

「薬剤師が説明してくれるから、安心」と喜びの声も

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