コラム記事

人の体を構成する3要素「気・血・津液」のトリセツ
~「血」前編~

コラムvol.9〜10は「気のトリセツ」として、気について内容をちょっと掘り下げていきました。

vol.9  人の体を構成する3要素「気・血・津液」のトリセツ ~「気」前編~
vol.10 人の体を構成する3要素「気・血・津液」のトリセツ ~「気」後編~

今回からは「血のトリセツ」を書いていきます。

「血」の概念

読み方は「血(けつ)」です。 赤い体液を「血」、透明な体液を「津液(しんえき)」といった感覚で呼んでいるため、とってもとっても大雑把にイメージするなら、現代医学の「血液」としてイメージしていただいたら良いです。
血が全身に必要なものを運んで、臓腑、器官、肌などを養っているため、血が無いと体に備わっている機能が正常に働くことができません。
漢方・中医学の「血」は、血管の中を流れている栄養物質やホルモン(とくに女性ホルモン)なども含んだ概念となっているので、血液よりももっと幅広いイメージを持っています。

「血」と呼んでいるのは、体の中にあるとき限定です。
漢方・中医学の勉強をしていると「気血」という言葉をよく目にしますが、「気能血行 血載気行:気は血をめぐらせる 血は気を載せてめぐっている」という言葉があるように、気と血は一緒になって流れています。
血が体の外に出てしまったら、もう気が作用できなくなってしまうため「血」とは呼ばず、「離経之血」「無営之血」と呼んで区別されています。
体の外に出た血液がウニウニと勝手に動いていたら、怪奇現象ですよね・・・。

もしかすると昔の人たちは、体の中では血は動いているけど、体の外に出てしまった血は動かずにジッと止まっているのを「体の中では気が作用しているから、きっと血が動けているんだ!」と考えたのかもしれませんね。
血液検査や献血で体の外へ取り出されたものは血ではありませんが、生きている人間に輸血されて、体の中でもう一度、気と結びつくことが出来れば、気血としてまた働いてくれます。

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