薬剤師取材

うっかりドーピング防止対策で薬剤師ができること

埼玉県 アイセイ薬局谷塚駅前店 室田陽右先生

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埼玉県草加市のアイセイ薬局 谷塚駅前店で勤務している室田陽右先生。学生時代より様々なスポーツに携わってきた経験から「薬剤師としてスポーツに関わることができないか」と考え、スポーツファーマシストとアスリートフードマイスターの資格を取得した。薬と栄養の側面から、アスリートのみならず地域住民にどのような貢献ができるか模索している。

禁止物質を含まない処方へ。アスリート側の協力で選手の「うっかりドーピング」を対策・防止

スポーツファーマシストは公認スポーツファーマシスト認定プログラムである「基礎講習会」と「実務講習会」を受講後、「知識到達度確認試験」に合格すると得られる資格ですが、講習会を受講するための抽選が毎年あり、この抽選を通らない限りスポーツファーマシストになることができません。私の場合は応募3年目でようやく受講資格を得て、資格取得できたのは 2012 年4月でした。ドーピング検査を受けるアスリートが来局するのは年に数回あるかないかの機会だと思いますが、処方変更に至ったケースがあります。そのアスリートである患者様は元々降圧剤を服用していましたが、なかなか血圧が下がらなかったため別の降圧剤が処方されました。そして、その降圧剤には禁止物質である利尿剤が含まれていました。すぐさま処方医に「常時使用禁止である利尿剤を含んでいるので他の降圧剤に変更して欲しい」旨を疑義照会し、禁止物質を含まない降圧剤へ処方を変更してもらいました。全ての患者様に「ドーピング検査を受けますか?」と確認することは現実的ではありません。このケースはスムーズな疑義照会へとつなげることが出来ましたが、それは患者様の方から競技に参加しているアスリートであることを話してくださったからです。このように、患者様自身が「ドーピング検査を受ける」旨を事前に申告する“アスリート側の協力”が不可欠なのだと痛感しました。
また、禁止物質は医薬品のみならずサプリメント(特に海外製)に含まれていることも多く、成分表に記載のない禁止物質が含まれていてドーピング違反となる場合や、アルファベットが1文字違うだけで禁止物質を「含む」「含まない」の差がある“シリーズ化されている一般医薬品”もあるため、一般の方では判断がつきにくいケースが多々あります。こういった「うっかりドーピング」で出場停止になってしまう選手が増えないよう薬剤師側も注意を促すことが必要です。

アスリートフードマイスターとして薬やサプリメントに頼らない身体づくりをサポート。ドーピングリスク回避へ

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