このシリーズでは、初めて在宅の患者さんを担当する方や、日頃の在宅訪問に不安を感じている方へ、明日から役立つコツを実例をもとにお伝えしていきます。
在宅の中でも必ずと言っていいほど直面する機会があるだろう認知症の患者さん。でも患者さんによって対応は十人十色。今回は実際の患者さんの実例をもとにどのように対応したのかを紹介します!
(前回の記事はこちら→vol.3 服薬管理困難ケースの対策検討 “3STEP”~薬の必要有無から見直そう!~)
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●【実例紹介】 認知症×糖尿病×独居
●ケアポイントの解説
●最後に
●【実例紹介】 認知症×糖尿病×独居
●Aさんの場合(認知症・糖尿病・独居 80歳代 男性)
一人暮らし。息子さんは遠方のため、月1回ほどしか会えない状況。
近くのクリニックに外来通院していたが、うっ血性心不全のため入院。
ファーストフードが大好きで、毎日のように自分で買い物に行ってしまう。
食事は朝、昼は毎日ファーストフード、夕は配色弁当。おやつも大好きで、飲酒もしている。
日常生活はどうにかできているが、認知機能の低下は著しく、短期記憶は苦手な様子で新しいことを覚えるのは難しい。病識も薄く、認知症もあるため薬の内服もできていない状況。
血糖コントロール状況も悪く、入退院を繰り返しているため、今回退院を機に在宅診療を開始。服薬管理をお願いしたいとケアマネージャーから依頼があり薬局の介入となる。
【入院先から得た情報提供】
現病歴:2型糖尿病、うっ血性心不全、慢性腎臓病、高血圧、脂質異常症
日常生活自立度:生活自立 認知症自立度:要注意(Ⅱb) 意思疎通:ある程度通じる
うっ血性心不全のため入院、抗凝固剤開始。また、血糖コントロール不良のため、インスリンデグルテグ(1日1回製剤)、デュラグルチド皮下注(週1回製剤)で治療を行う。入院中本人のインスリン自己注射は手技を取得することができず、加えてレパグリニド錠が追加となる。
退院時 HbA1c9.3%