【Pick up1】
四方山話
薬剤師向けワクチン接種研修を先日、開催サポートしてきました。
薬剤師によるワクチン接種は、コロナ禍で取り上げられて一気に盛り上がったのですが、結果的に残念ながら薬剤師による接種が解禁されることはありませんでした。でもその熱量は大きくて、次々と全国的に研修が立ち上がりました。
あれから2年。世の中はすでにアフターコロナに移行していて、ワクチン接種についても自己負担となり、接種を受ける人も一気に減りました。同時に薬剤師によるワクチン接種についても話題に上がらなくなっています。…それは研修開催側も感じているようで、先日の接種研修でも担当先生がそのように仰っていたのが印象的でした。
「研修は継続したい。でもそれにはお金が必要」
こういった研修を何度か開催して思うのが、“ワクチン接種研修費用は、受講費でほぼカバーできない”という事実です。以前のように熱量が高ければ企業からの寄付などが期待できたのですが、下火になるとどうしても難しくなってしまいます。受講費を高く設定すると受け辛くなるし、低くすると運営側の手が出てしまう…。こういう時、頼りになるのが地域薬剤師会のはずですが、その薬剤師会も継続した研修に(今のところ)前向きではないように思います。
薬剤師によるワクチン接種については、薬剤師の中にも反対意見がある事は承知しています。でも私はAIやロボットが加速度的に進化している中で、定型的な仕事ばかりしていては薬剤師の存在価値は極めて小さくなると考えています。むしろ原点に立ち返って、地域の公衆衛生を守るとは何ぞや、というのを考え直す必要があるのではないでしょうか。