【開催研修レポート】
どんな薬局が愛されて選ばれるのか!
「地域に愛される薬局づくり」を考える

2022年5月に開催されたアスヤクLIFE研修では、地域で選ばれ愛される薬局になるため今後どのような取り組みを行っていくべきか、また、現在行っている取り組みの改良点について、実体験を元に株式会社トータル・メディカルサービス、永富調剤薬局の永富将寛氏に講演していただきました。

1.愛される薬局になるために知っておくべきこと

患者様と薬剤師の関係

私達薬剤師は、日々、信頼関係を築きながら患者様の健康に貢献したいと思っています。一方で、患者様は薬剤師に対してどのようなイメージを持っているのでしょうか。

内閣府が全国18歳以上の日本人3000人に行った「薬局の利用に対する世論調査」(令和3年)によると、 「利用している薬局の薬剤師による薬の説明や相談の対応に満足しているか」の問いに対して、以下のような結果になっています。

満足している…85.3%
満足していない…8.4%
薬局を利用したことがない…3.4%

この結果によると、多くの人が薬剤師の対応に満足しているように思われます。しかし、薬局を利用している人でかかりつけ薬剤師を決めていると答えた人は7.6%に過ぎず、多くの人がかかりつけを決めていません。因みにかかりつけ薬剤師を決めている人の理由は、「信頼できる薬剤師がいるから」「生活状況や習慣を理解したうえで服用薬をすべて確認してくれる」などがあげられ、そこには信頼関係の構築がうかがえます。

また、今後かかりつけを決めたいと答えた人は2割、それ以外の人は今後もかかりつけを決めようとは思っていないという結果でした。決めようと思わない理由としては、「かかりつけ薬剤師を決める利点がわからない」「かかりつけにしたい薬剤師が見つからない」「必要性を感じていない」などがあげられています。

これらの結果を受け止め、私達はかかりつけ薬剤師を決めることの利点を患者様に正しく理解していただくことが必要ということが見えてきます。そうすることが地域で選ばれる薬局へと繋がっていくのではないでしょうか。

変わりゆく薬剤師の業務

時代によって薬剤師に求められる業務内容も変化しています。
薬剤師の重要業務が大きく変化した『患者のための薬局ビジョン』(2015年)では、業務が対物(薬)から対人(患者)中心へとシフトすることが提言されました。

しかし、現場では「業務のシフト化と言われても、これまでの調剤、薬剤監査、在庫管理などの薬中心の業務が減らないのに、処方チェック、残薬解消、丁寧な服薬指導、在宅、などの患者中心の業務が増えていく一方では対応できない」という声も上がるでしょう。

時代に合った業務のシフト化を実現させるには、業務の役割分担と効率化を行うことが必要です。

2.業務のシフト化とは—役割分担と効率化の実際―

業務の役割分担

ここで薬局業務の役割分担を図るにあたって、今一度確認したいのが「0402通知」です。これは、2019年に厚生労働省から発令された調剤業務のあり方で、これまでグレーゾーンとされてきたピッキングなどについて、一定の条件を満たせば薬剤師以外のスタッフが行うことが認められるというものです。
薬局によってスタッフの人員構成に違いがあると思いますが、0402通知を踏まえて、

♦薬局の中で役割分担ができているか
♦医療事務がピッキングを行っている間、薬剤師はただ待つだけになっていないか
♦役割分担は必要だが、臨機応変な協力体制になっているか

これらを確認してみてはいかがでしょうか。

業務の効率化

新たな機器の導入

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