このシリーズでは、初めて在宅の患者さんを担当する方や、日頃の在宅訪問に不安を感じている方へ、明日から役立つコツを実例をもとにお伝えしていきます。
「お薬カレンダーにセットしてもちゃんと飲んでくれない・・」
「夕食後の薬を間違って朝食後に飲んでしまった・・・!」
など、一包化や服薬カレンダーの使用などの工夫はしているものの、きちんと服薬できていない。こんな患者さんに遭遇したことはありませんか?
今回は、そんな時のコレってどうする!?をご紹介します。
(前回の記事はこちら→vol.2 配達から管理へ!ホンモノの在宅服薬管理薬剤師とは~ご自宅に上がる編~)
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●お薬カレンダー通りに飲めないのはどうしてか?
- 1. "服薬管理ができていない方のパターン"とは?
●対策の手順
- 2. まずは現状把握から
- 3. 処方変更提案に至るまでの対策検討STEP
●まとめ
- 4. 大切なのは合意形成
●最後に
- 5. 薬局だけで抱え込まないこと
- 6. 医療と介護の橋渡し役となる
●お薬カレンダー通りに飲めないのはどうしてか?
1. "服薬管理ができていない方のパターン"とは?
服薬アドヒアランスが良くない患者さんに対して、一包化やお薬カレンダーの使用など管理ツールの提案はどの薬剤師さんも対応されていると思います。在宅の現場で頭を悩ませるのは「それでも、服薬が困難な場合」ですよね。
管理ツールを導入しても、服薬できない「服薬管理困難ケース」は、さまざまなパターンに遭遇しますが、経験上、一概に認知症だからというわけでもありません。
下記のようなパターンが多いのではないでしょうか?
✔︎ 1日の時間感覚がない
認知機能の低下等があり時間が分からず、朝なのに昼を服薬してしまう
✔︎ 生活スタイルが服薬時点と合っていない
朝11頃起きるため、ご飯を食べると昼になっていて、朝が服薬できていない
✔︎ 特定の服薬時点が服薬できていない
家族やサービスの見守りがある朝と夕は服薬できているが、昼は服薬できていない
服薬できていない理由がわからない時は、服薬できているタイミングを探すことでも良いです。
前回のVol.2でもお伝えしたように、まずはご自宅に上がらせてもらい、患者さんの生活状況を把握することが重要です。