コラム記事

2パターンから考える!在宅患者さんの新規契約を増やす方法

【在宅現場の『コレってどうする?!』/ 福島 梨沙】



このシリーズでは、初めて在宅の患者さんを担当する方や、日頃の在宅訪問に不安を感じている方へ、明日から役立つコツを実例をもとにお伝えしていきます。

在宅訪問にもっと取り組みたい!患者さんを増やしたい!と思っていても
・新規での契約の話がなかなかもらえない
・新規の在宅患者を増やしたくてもどうすればいいか分からない
とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
今回は、これらのお悩みを解決する、在宅患者さんの新規契約を増やすための方法についてお伝えします!
(前回の記事はこちら→何を書いたらいいの?医師&ケアマネとの連携を強化する居宅療養管理指導報告書の書き方【例題あり】


●訪問薬剤管理指導(居宅療養管理指導)開始に至るまでのパターンは?

訪問薬剤管理指導(居宅療養管理指導)開始に至るまでのパターンは、主に医師の指示型、介護支援専門員提案型、他職種提案型、薬局提案型の次の4つがあります。このうち薬局提案型以外は、薬局外からの依頼です。つまり地域の在宅関連施設の方に、ご自身の薬局を知ってもらい、数ある薬局の中から選んで依頼していただく必要があるわけです。

*特集企画「できるようになりたい」に寄り添う日常生活のための支援~在宅医療へのはじめの一歩~」より参照

では、どうやって地域の在宅関連施設の方(他職種)にアプローチしたら良いのでしょうか?
今回は3つのステップに従って、他職種から患者さんを依頼してもらえるコツと、薬局提案型で外来から在宅に移行するためのアプローチについてご紹介します。

●【パターン1】地域の在宅関連施設の方から在宅患者さんを獲得する3Step

【Step1】まずは薬局での“受け入れ可能な患者さん”を明確にしよう!

みなさんは他職種の方から「どんな患者さんだったら受け入れが可能ですか?」と聞かれたらパッと答えられるでしょうか?まずは、この質問に答えられるように”受け入れ可能な患者さん”を明確にしておくことが大切です。
「どんな患者さんでも受け入れます!」と即答したいところですが、外来対応があったり、薬剤師の人数が限られている場合では、全ての患者さんを受け入れることは現実的には難しいでしょう。

下記のように「在宅患者さんを受け入れるために薬局で必要なこと」を薬局内で洗い出し、認識統一をしておきましょう。

例えば…
・薬局から概ね〇〇km、〇〇分程度のエリアが対応可能です。
・服薬困難な患者さんへの支援が可能です。
・土日もオンコール体制を整えているので、24時間対応可能です。
・緩和ケアで必要な麻薬はひと通り在庫しているため、終末期の方の受け入れ可能です。
・無菌調剤室がないので混注は対応出来かねます。

など、受け入れ可能な患者さんが見えてきたでしょうか?
(難しい場合は、受け入れ不可な患者さんを明確にすることでも良いですよ)


〜よくある失敗事例〜
・訪問エリアを明確にしていなかったため、薬局から30分以上距離がありお断りせざるを得なかった。
・外来対応などで訪問可能な時間が限られており(門前閉局の13-15時)、患者さんが午前中の訪問を要望していて希望に添えず、クレームになってしまった。
・薬局に薬の在庫がなく、終末期の患者さんの麻薬を当日中に届けることができなかった。


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