令和7年6月に収載予定の後発医薬品〜薬価や収載予定を予想!

2025年2月17日、厚生労働省が後発医薬品の承認を行いましたが、承認されたのは41品目
いつもと比べて非常に少なくなっています。
通常であれば6月に薬価収載される予定ですが、近年の状況を踏まえると、全ての後発品が収載されることはなさそうです。


後発医薬品調剤体制加算、医薬品の供給問題、長期収載品の選定療養など、後発品の登場は薬局の業務に大きく影響します。
そのため、承認された後発品を把握し、収載・発売に向けての準備を進めることはとても重要です。


今回は2025年2月に承認された後発品のうち内服薬と外用薬について、薬価収載・発売の見通しも含めて徹底解説!します。


トレンドを早読み!

令和7年6月に薬価収載予定の後発医薬品が2月に承認されています。いつもに比べて承認数が少なくなっており、初めて承認された後発医薬品は3製品のみです。その反面、AGは比較的多くなっており、ある程度AGと確定していものは6製品承認されています。後発医薬品の薬価の計算方法のルールを復習しながら計算してみると、今回収載される予定の後発医薬品はほとんど全てが先発医薬品の半額程度になる見込みです。ただ、医薬品の供給問題や長期収載品の選定療養等の制度を含めて考えてみると、実際に薬価収載されるのはさらに少なくなるのではないかと予想します。

1、令和7年2月に承認された後発医薬品


この章のPOINT

令和7年2月に承認された後発医薬品のうち、初めて後発医薬品が承認されたのは3製品。薬価収載されていないシタグリプチンを含めても4製品とかなり少なくなっています。反面、AGは比較的多くなっており、AGと予想されるものを含めれば6製品(7製品)が承認されています。


まずは今回承認された品目のうち、後発品として未発売、薬価収載・発売されれば初の後発品となる品目について、先発品名と合わせてまとめてみます。


新規承認された後発医薬品(先発医薬品名)

メホビル配合錠(エクメット配合錠)

ドロエチフレックス配合錠「バイエル」(ヤーズフレックス配合錠)

ガドブトロール静注1.0mol/Lシリンジ「HK」(ガドビスト静注)

シタグリプチンリン酸塩錠「DSEP」(ジャヌビア錠/グラクティブ錠)


シタグリプチンリン酸塩錠「DSEP」についてですが、2023年8月にシタグリプチン錠「サワイ」が承認されている(薬価未収載)ため、承認されるのは初めてではないですが未発売ということでリストに加えてみました。
メホビル配合錠は「フェルゼン」、「日新」、「トーワ」の3銘柄が承認を取得しています。


新規参入となる製品は4製品(3製品)・・・とかなり少なくなっています。


続いて今回承認された品目のうち、オーソライズドジェネリック(AG:Authorized Generic)について、AGであることが明示されていないものも含めてまとめます。


新規承認されたオーソライズドジェネリック(先発医薬品名)

ジクアホソルナトリウム点眼液3%「SEC」(ジクアス点眼液3%)

トラマドール塩酸塩OD錠25mg/50mg「シオエ」(トラマールOD錠25mg/50mg)

ケトプロフェンテープ20mg/40mg「久光」(モーラステープ20mg/L40mg)

グリメピリド錠0.5mg/1mg/3mg「NC」(アマリール錠0.5mg/1mg/3mg)

ドロエチ配合錠「バイエル」(ヤーズ配合錠)

ドロエチフレックス配合錠「バイエル」(ヤースフレックス配合錠)


ドロエチフレックス配合錠「バイエル」は初登場の後発品でありつつ、AGです。
その他は全てすでに後発品が発売されているもので、いわゆる後追いAGになります。


トラマドール塩酸塩OD錠「シオエ」についてはAGであることが明示されていませんが、製造販売元となるシオエ製薬が先発品(トラマールOD錠)の製造販売元である日新製薬の完全子会社であることを考えると、AGであることはほぼ間違いないと思います。


リストには含めませんでしたが、シタグリプチンリン酸塩錠「DSEP」もAGという噂があり、承認に至る状況を考えるとその可能性は高いです。

2、収載された場合の薬価を予想

この章のPOINT

2月に承認された後発品(内服・外用)が薬価収載された場合、どのくらいの薬価で登場することになるのでしょうか?後発品の薬価の計算方法を復習しながら、薬価を予想してみますが、今回は7銘柄を超えて収載されるものはなく、新薬創出等加算の返還対象となるのはヤーズフレックスのみなので、基本的には現在の薬価の半額という形になりそうです。

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