令和4年12月23日に開催された中央社会保険医療協議会 総会(第535回)で令和5年4月1日からの診療報酬上の特例措置等についての答申が行われました。
令和5年は診療報酬改定が行われる年ではありませんが、診療報酬の一部改定のような形で特例措置が実施されます。
薬価中間年改定が行われるようになり、新型コロナウイルス流行下における診療報酬上の対応等が続いていることで、毎年のように様々な変更が重なってしまい混乱してしまいそうです。
だからこそ、一つ一つの変更を把握していかないといけませんし、変更に込められた国が薬局に求める方向性を理解しておく必要があります。
2023年2月9日 18:00:「日本薬剤師会が示す取組事例(日本薬剤師会からの通知 令和5年2月1日付)」についての追記を行いました。
令和5年4月1日から12月31日の期間限定で、医薬品供給問題に関する取り組みを評価する形で地域支援体制加算の特例措置が実施されます。限りある予算の中で行われるため、対象となるのは地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算を共に算定する薬局に限定されますが、地域の医薬品供給を維持するために薬局が行っている取り組みが評価される形になります。具体的な点数、施設基準の内容を読み解くと同時に、今後も継続するであろう医薬品供給問題の中で薬局が進むべき方向性と次回診療報酬改定で求められることについても考察してみます!
1、地域支援体制加算の特例措置
令和5年4月〜12月の期間で「医薬品の安定供給問題を踏まえた診療報酬上の特例措置」が実施されます。具体的には「地域支援体制加算」を算定している薬局のうち、「後発医薬品調剤体制加算」を算定していることに加えて、地域の医療機関、薬局、行政等に対して在庫状況の共有や医薬品の融通を行っている薬局が対象となります。後発医薬品調剤体制加算1・2を算定している場合は1点、後発医薬品調剤体制加算3を算定している場合は2点が、それぞれ地域支援体制加算に加点されます。
①地域支援体制加算を算定している薬局のうち、②後発医薬品調剤体制加算を算定しつつ、③医薬品の安定供給に対して地域の薬局と協力する取り組みを行い、それを④薬局の見やすい場所に掲示している薬局に対して、地域支援体制加算の評価の見直しが行われます。(2023年4月〜12月)
加算される点数は後発医薬品調剤体制加算の区分により異なります。
- ・後発医薬品調剤体制加算1または2を算定している場合:+1点
- ・後発医薬品調剤体制加算3を算定している場合:+3点
施設基準
- ・地域支援体制加算の届出
- ・後発医薬品調剤体制加算の届出
- ・地域の保険医療機関または保険薬局(同一グループ以外)に対して
在庫状況の共有、医薬品の融通等を行っている - ・取り組みに関する事項を薬局の見やすい場所に掲示
後発医薬品調剤体制加算1or2を算定する場合(2023年4月〜12月)
- 地域支援体制加算1:39点→40点
- 地域支援体制加算2:47点→48点
- 地域支援体制加算3:17点→18点
- 地域支援体制加算4:39点→40点 (各1点+)
後発医薬品調剤体制加算3を算定する場合(2023年4月〜12月)
- 地域支援体制加算1:39点→42点
- 地域支援体制加算2:47点→50点
- 地域支援体制加算3:17点→20点
- 地域支援体制加算4:39点→42点 (各3点+)