コラム記事

迫る23年度薬価改定〜医薬品安定供給への影響は?

今回は年末ということで、来年4月に向けて議論が加速する2023年度(令和5年度)薬価改定について解説したいと思います。毎回注目される薬価改定ですが、2023年度(令和5年度)薬価改定は特に!注目すべきものになっています。
今回のコラムをきっかけに、今後、中医協で行われる議論に注目してもらえればいいなと思います。

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2023年度(令和5年度)薬価改定について、中医協の薬価専門部会で議論されています。2023年度(令和5年度)薬価改定は毎年薬価改定が開始されて2回目となる中間年改定となり、今回の改定は今後の薬価改定に大きな影響を与えるものと考えられます。今回の薬トレでは、2023年度(令和5年度)薬価改定の議論を理解してもらえるように、薬価改定の仕組みや毎年薬価改定が開始されたおおまかな流れについて説明した上で、中医協での論点のポイントについて解説しています。

1、薬価改定って何?

この章のPOINT

薬価改定の目的や仕組みについて簡単に説明します。
薬価改定は薬価と市場実勢価格に差があるものについて薬価の見直しを行い、市場実勢価格に近づける仕組みです。
薬価に対する薬価と市場実勢価格の差を乖離率と呼んでおり、薬価改定では乖離率から調整幅を差し引いた割合の薬価削減が行われます。

2023年度(令和5年度)薬価改定の話題に入る前に、まずは薬価改定の仕組みについて簡単におさらいしておきましょう。

そもそも薬価改定って何?

薬価とは国が決める医療用医薬品の公定価格で、薬価改定とは毎年4月に実施される薬価の見直しです。
厚生労働省は薬局や医療機関が医薬品卸から仕入れている価格を調査し、薬価と納入価に差がある場合はルールに従って薬価を引き下げます。これを薬価改定といいます。

市場実勢価格とは?

薬局や医療機関が医薬品卸から医薬品を購入する価格(納入価)と薬価の差額は直接の利益となり、これを薬価差益と呼んでいます。
薬価差益は全てが直接の利益になるばかりではなく、不動在庫等の廃棄医薬品にかかる費用に補填されます。そのため、薬局や医療機関は薬価差益を増やすべく、医薬品卸と交渉を行なって納入価を下げてもらえるよう努力します。
結果として医療用医薬品の流通価格は薬価よりも低くなり、薬価改定の対象となってしまいます。

市場実勢価格とは?

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