コラム記事

骨太の方針2022〜国が描く薬局(医療)の未来を知ろう!

2022年6月7日、「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太方針2022)を閣議決定されました。
今回はこの「骨太の方針2022」の内容のうち、医療DXに関する部分について解説したいと思います。
近い未来、薬局はどのような姿に変化していくのか?国はどのような姿を思い描いているのか?薬剤師として、自分の働く環境がどのように変化するか想像しながら過ごすことは大切だと思います。
今回の記事ではDXについてあまり得意としていない方でもできるだけわかりやすいようにまとめてみたいと思います。

トレンドを早読み!

内閣府が公開する骨太の方針には今後の日本の政策を示す内容が記されていますが、その中には我々が働く医療分野に関する内容も含まれています。実際、過去に骨太の方針に記載されていた内容は、診療報酬改定や薬機法改正で具体化されてきています。今年も骨太の方針が公開されました。その中では医療DXの推進に関する内容が大きなウエイトを占めています。近い将来、医療DXによって薬局の業務はどう変わっていくのか?骨太の方針の内容について知ることで、未来をイメージできるようになり、準備していくことが大切です。

1、知れば気になる!「骨太の方針」ってどんなもの?

この章のPOINT

骨太の方針とは内閣府の経済諮問会議で閣議決定された内容をまとめたもので、今後の予算編成や法改正が示されたものです。実際に、骨太の方針2021で示されていた内容は診療報酬改定や薬機法の改正で反映されています。

皆さんは「骨太の方針」って聞いたことありますか?「骨太の方針」は毎年6月頃に閣議決定されるもので、簡単にいうと「政権の経済政策の目標や進め方を示す方針」となるものです。
首相が議長を務め、閣僚や日銀総裁、民間議員を構成メンバーとする経済諮問会議では経済運営・財政運営・予算編成に関する基本方針について検討されます。その結果として閣議決定されるのが「骨太の方針」です。正式名称が「経済財政運営と改革の基本方針」となっていることからもわかるように今後の予算編成や法改正等の改革方向を示すものです。その中では、医療を含めた社会保障制度に関する内容も盛り込まれており、今後の医療制度、診療報酬が進む方向性が示されています。つまり、我々、医療従事者の働く環境がどのように変化していくかを垣間見ることができる資料となっています。

例として昨年の「骨太の方針2021」を見てみましょう。医療、特に薬局に関連する部分を箇条書きにしてみます。


2.社会保障改革 (1)感染症を機に進める新たな仕組みの構築
・バイオシミラーの医療費適正化効果を踏まえた目標設定の検討、新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算等の見直しの検討
・かかりつけ薬剤師・薬局の普及を進めるとともに、多剤・重複投薬への取組を強化
・医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に行かずとも、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策を検討
・緊急時の薬事承認の在り方について検討

「経済財政運営と改革の基本方針2021 日本の未来を拓く4つの原動力~グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策~」(骨太方針2021)

①「バイオシミラーの医療費適正化効果を踏まえた目標設定の検討、新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算等の見直しの検討」
後発医薬品調剤体制加算については、骨太の方針2021の閣議決定前にも、財務省から「後発医薬品調剤体制加算の廃止を含めた検討」が要望されていました。これらを踏まえて中医協では議論が進められ、結果として、令和4年度診療報酬改定では後発医薬品調剤体制加算と後発医薬品に係る減算の見直しが行われました。


②「かかりつけ薬剤師・薬局の普及を進めるとともに、多剤・重複投薬への取組を強化」について
令和4年度診療報酬改定ではかかりつけ薬剤師指導料の見直し(服薬管理指導料の特例)、調剤管理加算の新設、服用薬剤調整支援料2の見直しが行われました。


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