コラム記事

【プレ運用情報追記】
~あなたの薬局はどうしますか?~
オンライン資格確認 導入への準備と対応

※当記事は社会保障審議会医療保険部会にて「本格運用の延期」が発表される以前の記事です。最新の情報はこちらのコラムからご確認ください。

令和3年3月から導入が開始されるオンライン資格確認。
受付業務の効率化を始めとし様々なメリットがあるオンライン資格確認ですが、機器の設置やルールの理解など、薬局薬剤師も様々な準備が必要です。 こちらでは3月の導入までに薬局で行える準備について解説していきます。

1. オンライン資格確認とは?

令和3年3月に導入が開始されるオンライン資格確認ですが、そもそもオンライン資格確認とはどんな機能でしょうか?また、どんなメリットがあるのでしょうか?

◆オンライン資格確認とは
マイナンバーカードや既存の保険証を活用し、オンラインにて即座に最新の保険情報を取得・登録する手段です。 保険情報以外にも薬剤情報や特定健診などの情報も閲覧できるようになるほか、国が進めるデータヘルス集中改革プラン等のなかで健康に関する情報の一元管理を実現すべく、関係省庁において検討が進んでいます。 薬局側にはカードリーダーや顔認証システムなどの機器類の設置等が必要ですが、患者側はICチップ入りのマイナンバーカードか既存の健康保険証があればオンライン資格確認の利用が可能です。しかし、既存の保険証の場合、一部の情報は手入力が必要になったり本人確認に顔認証システムが使用できなかったりと機能に制限がかかってしまいます。 このことから、政府はICチップ入りのマイナンバーカードを使用する事を進めている状況です。

◆オンライン資格確認導入のメリット
・薬局の受付フローの簡略化
・手入力による打ち間違いの軽減
・最新の患者情報の取得 など 様々なものがあげられます。
受付フローが簡略化され、自己負担割合や資格喪失の有無などがオンラインで確認できるとなれば、確認漏れによる返戻・再請求に掛かる薬局側の労力だけでなく家族や介護者を含めた患者側にもメリットがあると考えられます。
また、患者の同意を元に薬剤情報を3年分保存でき、来局前に資格や服薬情報を確認したり災害時には特例措置で薬を受け取ることが出来るよう検討中であったりと情報を一元管理することができます。 現在では、受付フローが短縮できることのほか、カードリーダーを活用する事で接触頻度を減らすことができるため感染症対策にもなりますね。

◆補助金について
オンライン資格確認では、政府が様々な補助金を用意しています。 薬局でも、規模によって助成を受けられる金額が違うので、厚生労働省が用意しているオンライン資格確認のポータルサイトを確認しましょう。
レセコンやネットインフラの改修など、機器の購入以外にも整備するポイントがあります。そちらも、かかった費用の一部が補助対象なので、どの工賃がいくらまで補助されるのかしっかりと確認しましょう。

オンライン資格確認の詳しい解説はこちら。

2. オンライン資格確認導入の各薬局での検討状況は?

前述で解説した通り、オンライン資格確認の導入には様々なメリットがある一方で、システムの入れ替えが必要であったり対応しなければならないことも多くあります。このオンライン資格確認の導入について、他の薬局では現在どのように考えているのでしょうか?


※以下2020年12月アスヤクLABO会員によるアンケート
オンライン資格確認 導入に関するアンケート」より一部抜粋。



導入予定時期についてお聞かせください。(単一回答)



どのような状況になったら具体的な検討を始めますか?(自由記述)



オンライン資格確認が始まった際の、実際の薬局内での作業の流れや患者の動き方について、想定・検討されていますでしょうか。(単一回答)


現在すでに導入を決めている薬局は35%程度で、半数が様子見という結果となり、導入検討を始める条件として特に多かった回答は「マイナンバーが普及してから」「周囲の医療機関・薬局で導入が始まったら」というものでした。マイナンバーカードの普及についても、今後の医療に必要なアイテムの1つと捉え、薬局からも普及を促せるといいですね。また、医療機関へいつ導入されても問題ないよう、薬局として準備をしておくことは大切ではないでしょうか。

「オンライン資格確認 導入に関するアンケート」全体の結果はこちらから。

3. オンライン資格確認開始に向けた薬局での準備と対応

機器の導入やメーカーの選定などは、本部が一括して行う事もあるかと思いますが 薬局現場においても導入前に行える準備は沢山あります。
では薬局の薬剤師はどのような準備をしておけばよいでしょうか?


①事前の患者周知と運用後のフォロー
もちろん、導入のメリットや狙い、機器の使い方などを理解しておく必要はありますが 薬局の勤務する薬剤師として必要な事は、事前に患者さんへの周知と運用後のフォローの準備です。

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