コラム記事

管薬の視点
~マネジメントについて考える~

「薬局を開設するには管理薬剤師が居なければならない」これは私たちにとっては常識で、薬局6万軒超となった現在では、薬局に勤務する薬剤師の3分の1が管理薬剤師です。
読者の皆さまも管理薬剤師への任命を打診された経験をお持ちではないでしょうか。
本コラムでは管理薬剤師を1つのキャリアアップと捉え、その立場になる前に持っておきたい【視点】について解説していきます。


1. はじめに


管理薬剤師は、薬局の責任者ですが「法や規則に基づく責務」と「組織をマネジメントするという責務」は異なるということから触れていきます。

そもそも、「組織をマネジメントする」とはなんなのかというと、薬局が1つのチームとして成果を出すために経営資源を活用して効率的な運営を行うことをアシストしたり、起こり得るリスクを回避するための行動をとることなどです。

保険調剤が業務の大部分を占める薬局では、マネジメントを担う店長(薬局長)と管理薬剤師は兼務の事が多いですが、企業によってそれぞれの役割を担うスタッフを配置していることもあります。特に物販の割合が大きなドラッグストアなどでは店舗全体のマネジメントを担当する店長(非薬剤師)と、その中で調剤部門を営業的視点でマネジメントする役割の薬局長、前述の管理者としての管理薬剤師を分けている場合もあるでしょう。
なお、管理薬剤師等の責務の内容についても「従業員の監督」と明記されていますが、その内容はあくまで、法令順守や薬学の専門知識に関する対応の意味合いが強いものです。 薬局を運営していくためにはどちらの要素も欠かせないことですが、本コラムではマネジメントに主軸をおいてみることとしましょう。

2. 管薬の視点① 管理者になることとは


薬剤師として、薬局で日々の業務にあたる中では「薬学の専門家」として仕事に向き合っている方が多いのではないでしょうか?しかし管理薬剤師に抜擢されたとなると今までとは違う視点を持たなければならなくなります。
はじめに必要な視点は、「マネジメントをする立場として責任を考える」事です。
法や規則で定められた責務である「従業員の監督」と「医薬品の管理」という部分へ視野を広げることが必要で、その中のマネジメントする立場としての責任は何でしょうか。

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