コラム記事

漢方薬のはたらきを読み解く便利なフレーズ!【『コレ』を『こう』して××したい】

このコラムシリーズは漢方初学者の方向けに書いております。

大きくザックリとしたなんとなくのイメージや理解で構いません、そのお手伝いをすることが目的です。
漢方・中医学の基礎理論、漢方薬のはたらきを理解するはじめの第一歩は、簡単でシンプルなざっくりとしたイメージで十分だと思います。
そのイメージを持って色々な方の本を読んだり、セミナーを聴いたり、ご自身で体験したりして知識や経験の肉付けをし、皆さんなりの理解のカタチを作ってください。

たとえば『葛根湯は風寒邪による太陽経輸不利証を治療する漢方薬です。』
と説明されて
「あー、なるほど!だから葛根湯は自然発汗がなく肩こり等を伴った諸症に使われているんですね〜」
と、理解して納得される方は、このコラムを読まれていないと思います。
最近、上記のように説明されている本を読んだので、ここに“理解していますよ”風に書いているだけです。
僕も「太陽経輸不利証?何スカ、それ??」ってなりました。
ちなみに「太陽経輸不利証」は、風寒の邪気が太陽膀胱経に入って経絡を阻滞し、項背部の強ばりなどの症状が現れる病態のことです。

ここまで読んで
「いやいや、専門用語を専門用語で解説されても余計に分からんよ。風寒の邪気って何よ?太陽膀胱経って?膀胱と肩ってめっちゃ離れていますけどなんで関係があるの?コレだから漢方って胡散臭いんですけどっ!!」
って思いますよね。
ここを分かるためには、六淫や経絡などの知識や理解がないとチンプンカンプンです。 現代医学の言葉で説明するにも限界がありますので、ある程度は表現に慣れていただく必要はあります。

まずは【『コレ』を『こう』して××したい」】が分かればいいんです

『コレ』を『こう』して××したいについてですが、例にあげた『葛根湯』だと【『風寒の邪気』を『取り除いて』かぜや肩こりを治したい】漢方薬、と言った具合になります。

薬剤師の方向けになりますが、『アムロジピン』を簡単に理解する時も【(血管平滑筋への)『Caイオン流入』を『阻害』して(血管収縮を抑制して)血圧を下げる薬】ぐらいな感じじゃないですか?
もちろん、生理学や薬理学などさまざま学んでキチンと知識を積み上げてきた背景があるからこそ、シンプルな形の理解になっているとは思います。
常に血管平滑筋の収縮のメカニズムを意識して、電位依存性Caチャネル、筋小胞体、トロポニンなどのワードを並べて考えないと思います…よね??

さて『コレ』を『こう』して××したいの各項目に入るワードはそんなに多くはありません。


『コレ』に入るワード
気、血、津液、瘀血、痰湿、外邪(風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪)など
『こう』に入るワード

補う、巡らせる、取り除く

××したいに入るワード

ここは改善したい症状などが入ってきます。


どうですか?結構シンプルだと思いません?
ここからはもう少し詳しく説明していきますね。

「3つのパターン」で病気・治療を考える

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