コラム記事

視点を変えると捉え方が変わる、漢方と中医学の違い

人の体の状態をはかっていくモノサシは色々ありますが、今回は「気・血・津液」のお話を書いていきます。
日本漢方では「気・血・水」のお話と同じですが、使っている言葉がちょっと違う部分もあります。
気・血・津液がどういったものなのか、どう関連しているのかを簡単に書いています。
また「虚証・実証」のイメージの仕方も、中医学と日本漢方でちょっと違う部分がありますので、そのお話も少し書いています。
人を見た目で判断してはいけない、とよく言われますが、「虚証・実証」も体型だけで判断してしまうと間違えてしまう場面もありそうです。

漢方は日本の伝統医学、中医学は中国の伝統医学です
個人的には、中医学の方が体系化されているため勉強しやすいです。
同じ言葉を使っていても漢方と中医学で捉え方が異なる部分はありますが、中医学で基礎を学んで、臨床は中医学と漢方の両方で幅を広げていくイメージを持ってもらうと勉強していきやすいと思っています。
どちらが良い、悪いとかではなく、違いを知って便利に活用していきましょう。 「ここらへんの言葉も事前に知っておくと、きっと分かりやすくなるよ」という内容も書いていきます。
そこの内容は僕が勉強をし始めた頃にすごく理解に悩んだところでもあります。
出来るだけ簡単な内容となるように心がけてみたので、不足していたり、少し違うこともあります。
勉強を進めていって、皆さんなりに修正したり深めたりしてください。
このコラムが少しでもお役に立てたら嬉しいです。

【気・血・津液の考え方】

「気(き)・血(けつ)・津液(しんえき)」は、体をつくり、生命を保つための基本物質のこと。呼吸をして体の中に取り込む空気などの「自然界の清気(せいき)」や、飲食物を消化吸収して栄養分となった「水穀の精微(せいび)」をもとに五臓六腑でつくられて全身へ送られています。「水穀(すいこく)」というのは飲食物と思ってください。

「気」は生命活動を維持している源で、生命エネルギーとも言われます。しかし目で見ることは出来ませんし、機器を使って測定して数値化することも出来ないので、現代医学では扱われることはありません。僕が学び始めの時に「元気があれば何でも出来る…かもしれないけど、元気が無ければ何も出来ないよね。」と教わったのが、妙にしっくりきて今でもよく使わせていただいています。


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