コラム記事

漢方についている番号と、名前の“オシリ”のおはなし

薬剤師の方に質問します。
「最近、よく出る漢方薬は何ですか?」
上の質問をすると、芍薬甘草湯や大建中湯の名前が多く返ってきます。
処方名ではなく68番(芍薬甘草湯)や100番(大建中湯)と番号で返ってくることもあります。 漢方相談を受けていても、お客さんが「この前、病院で24番(加味逍遥散)の漢方薬を先生から処方されました。」と番号で教えてくださる事はよくあります。

棚に番号順で並べている所が多いため、薬を準備する時は番号で漢方薬を認識するのって、すごく便利ですよね。番号だけではなく、漢方薬の名前の仕組みをちょっと詳しく知るだけで、理解が深まります。

今回は漢方薬についている番号の話と、名前の仕組みとして”オシリ”の話について書いていきます。

まずは漢方薬に付いている番号のよもやま話を。

漢方の番号ってどんな意味があるの?

番号について、自然と健康を科学するツムラさんのホームページを覗きに行くとこう書いてありました。

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Q:ツムラの製品番号の付け方には何か意味がありますか。
A:特に意味はありません。(おおむね、承認申請順といったところです。)
(ツムラホームページ よくあるご質問 https://www.tsumura.co.jp/qa/qa/ より)
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「おおむね」って何??

気になるのでツムラの担当者さんに聞きました。
番号の付き方は「当時の研究者の方の実験ノートに記載されていた番号」だそうです。
漢方薬についている番号はそんなに深い意味は無さそうですね。 ノートに記載されていた順番だったら、もしかすると「その当時、使用される頻度が高い漢方薬が若い番号に多い…かもしれない?」という妄想をしちゃいます。
どうだったんでしょうね?
ツムラ医療用漢方製剤は、漢方薬が当てられていない番号があります。これは縁起の悪い数字が「欠番」となっています。(4番、13番、42番など)
ところが、関連性のある処方は関連を匂わせるような雰囲気の番号が付けられています。

たとえば…


7番:八味地黄丸→107番:牛車腎気丸
(八味地黄丸+牛膝、車前子→牛車腎気丸)
19番:小青竜湯→119番:苓甘姜味辛夏仁湯
(苓甘姜味辛夏仁湯は“小青竜湯のウラ処方”と呼ばれています)
25番:桂枝茯苓丸→125番:桂枝茯苓丸加薏苡仁
(桂枝茯苓丸+薏苡仁→桂枝茯苓丸加薏苡仁)

などです。

この番号の付け方って、もしかして…小さな優しさですか??
番号について、最後のお話です。

医療用漢方製剤の漢方薬に当てられている番号は、全メーカーで統一されているわけではありません。 葛根湯と言われると「あー、1番の漢方薬ね!」と大半の方は思われると思います。 しかし、東洋薬行の葛根湯は13番で、1番は安中散料が当てられています。 葛根湯が1番じゃないっていうのも衝撃ですが、ツムラでは欠番の13番が当てられているなんて!

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