処方箋がなくても薬局で買えるよう検討されるなど、関心が高まっている緊急避妊薬。
(アフターピル)
ここでは薬局で販売が解禁された場合、薬局・薬剤師における注意点をご紹介いたします。
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緊急避妊薬(アフターピル)、薬局販売検討と注意点
1. 緊急避妊薬の薬局販売への動き
2. 緊急避妊薬の必要性と注意点
3. 今後の課題
1. 緊急避妊薬の薬局販売への動き
日本における緊急避妊薬の販売は、諸外国に比べると遅れているとの意見が多くみられます。
確かに、米国や欧州などではすでに薬局での販売がされており、購入へのハードルは下がりつつあるのが現状です。しかし医療保険の制度や薬の分類、薬剤師の職域などが違う海外とでは、一概に日本が遅れているとは言えないのが実情でしょう。
2017年の厚生労働省の検討会では、緊急避妊薬の薬局販売は「時期尚早」との理由で見送りになりました。時期尚早とは、「販売する薬剤師の研修が不足しており十分な服薬指導ができない」という理由や「使用者のリテラシーの低さ」が主な理由です。
日本では欧米諸国にくらべ性教育が遅れており、使用すれば100%妊娠を防げると思っている消費者が多くいるなど消費者のリテラシー不足が目立ちます。その中で販売が解禁されれば、乱用や悪用などにつながりかねず、また薬剤師がリスクや注意点を説明するにはまだ知識・研修不足だという点も相まって見送りとの判断でした。
2020年10月の内閣府の第7回第5次基本計画策定専門調査会では、世論の後押しをうけ薬局での対面販売を原則に販売を検討する方針が盛り込まれました。「これまでの議論を踏まえ、しっかり検討していく」と会見では田村厚生労働相が発言しておりますが、解禁の時期については現在では明言されていません。
(2020年11月6日現在)