研修の見える化を実現することで薬剤師の可能性を拡げたい

ネクスウェイ×バンブー共同企画・開発 新アプリ
「アスヤクLIFE研修」 11月リリース

薬剤師としての職能を高めるべく、全国各地において様々な研修が繰り広げられているが、申込み手段はFAX、研修参加記録はシールで管理するなど、その管理方法は整備されているとは言い難い。研修を受講する薬剤師、研修を実施する薬剤師会・組織の両者がこれまで抱えていた問題を解決する新アプリとして『アスヤクLIFE研修』がリリースされる。企画・開発に携わった池田歩氏(ネクスウェイ)と竹中孝行氏(バンブー)に、開発のきっかけやこれからの展望について伺った。
(左)株式会社バンブー 竹中氏 (右)株式会社ネクスウェイ 池田氏
地域包括ケアシステムへの参画を軸に、より高度で幅広い職能発揮が期待される社会の要請を受けて薬剤師のスキルアップ意識は高まっており、健康サポート薬局取得に伴う研修や研修認定薬剤師など、薬剤師を対象とした研修は年々増加傾向にある。なかでも研修認定薬剤師はかかりつけ薬剤師における算定要件となっていることから、現時点で約12万人が認定を取得しており、様々な専門性を持つ薬剤師が活躍し始めている。  こうした状況を踏まえ、全国65000軒・施設の調剤薬局や病院薬剤部を対象に、薬剤師が必要とする医薬品情報をまとめて郵送する「医薬情報おまとめ便サービス」などを展開するネクスウェイ(TISインテックグループ)と、薬局・介護・美容事業を軸に社会全体を生き活きとさせるような取組みを展開しているバンブーがタッグを組み誕生した『アスヤクLIFE研修』は昨年から構想を練り始め、薬剤師や研修を行う薬剤師会・団体組織へヒアリングを行いながら開発された。

開発のきっかけは?

〈竹中〉薬剤師である僕自身、研修を行う立場であるとともに、研修を受講する立場でもある。
以前から「シール」では受講管理がしきれない人もいると感じていた。また研修を行う立場として講演者の人選などにも苦労していたため、研修に関する情報の整備が必要ではないかと考えた。
〈池田〉 研修の数は増加している一方、研修の申し込みはFAXで、案内は各団体などからバラバラに来る、また管理はシールで行うなどその状態は「非整備」といえる。『アスヤクLIFE研修』は研修を受講する薬剤師が使用できるアプリで、①自身に必要な単位が一目で分かる②一度入力した個人情報等は次回以降入力不要(情報は適宜変更も可能)③最短3ステップで簡単申込み④全国の研修を検索することができる――といった特長を持ち、認定薬剤師の研修や更新のサポートをしてくれる。
これまでは自身が所属している薬剤師会・団体の研修のみ把握している人が多かったが『アスヤクLIFE研修』を活用することで、他の薬剤師会・組織の研修を把握し、参加することができるようになるなど〝全国の研修の見える化〟を実現した。
〈竹中〉この〝見える化〟は、職能を高めたいと考える薬剤師のサポートになるだけでなく、研修を実施する薬剤師会・組織にとっても大きなメリットといえる。
例えば、これまで現金で行っていた決済はオンラインに移行することができる(要手数料)ほか、これまで以上に広範囲で受講者の募集を行うこともできる。
また、これまで固定の講演者で研修を行っていた自治体・組織も多いとされるなか、全国で行われている研修を検索することで新たな〝講演者〟発掘することもできることから、研修会のさらなる充実にも繋がる。
研修を受ける薬剤師と、研修を行う薬剤師会・組織の双方が使いやすく、管理しやすいサービスを目指し開発した。

全国で開催される研修が手軽に検索でき受講履歴を管理できる

研修に係る情報を整備・蓄積し薬剤師としての 活躍の幅を広げるオンリーワンのサービス

研修を受講する薬剤師と、研修を実施する薬剤師会・組織の双方にとって大きな転機となるであろう『アスヤクLIFE研修』を通じ、薬剤師へ届けたいメッセージについても伺った。
〈池田〉知識やスキルを蓄えた″ちゃんとした薬剤師〟が必要とされる時代になってきている。
『アスヤクLIFE研修』を活用することで薬剤師としての価値を高めるだけでなく、これまで出会えていなかった他の薬剤師と出会う機会も生まれることから薬剤師同士が繋がる手段としても活用いただき、薬剤師として行ける場所・取組めることを広げてもらいたい。
〈竹中〉今まで表に出てこなかった人や取組みが、『アスヤクLIFE研修』を活用することで多くの人の目に触れることになる。薬剤師が活躍できる場や可能性を拡げる手段として取り入れてほしい。


対物業務から対人業務への構造的転換が突きつけられる一方、ICT・オンラインの急速な普及など、薬剤師を取り巻く環境は急速な変化を遂げつつある。今年7月には厚生労働省が「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」を立ち上げ薬剤師の需給調査に乗り出し、薬剤師過剰時代を見据える動きが見られる一方、薬剤師の業務過多の状況から研修への参加が難しくなっているのも現状だ。そんななかでも一貫して必要とされているのは〝職能を日々高めていく〟ことだといえる。  アナログな方法で管理・運営されていたこれまでの研修は、「研修実施期間からFAXで案内される研修内容をすべて把握できない」「薬剤師免許証などを都度認証する作業に手間がかかる」「シールの管理が難しい」といった課題が明らかにされていながら、無法地帯とされていた。 また昨今の新型コロナウイルス感染拡大により、これまで当たり前のように行われていた集合研修の実施が難しい状況に追い込まれ、オンライン研修へ乗り出す薬剤師会・組織も増加し続けるなど″リアルからオンライン〟への流れは一気に加速している。 簡単・明確・手間無しの管理を実現した『アスヤクLIFE研修』は、時代の流れに沿って課題解決へ導き、薬剤師としてのこれからを応援するオンリーワンのサービスと言えそうだ。

【薬局新聞9/24発行号掲載記事より転載】

http://www.yakkyoku-shimbun.co.jp/

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