医薬品情報提供サービスの比較

薬局のDXを加速させるキュレーションメディア「Pharmacy DX News(以下PDX News)」のオリジナル記事の要約をご紹介します。



薬剤師業務を行う中で、医薬品情報に関する調べものをすることは日常茶飯事だと思いますが、みなさんは普段どんな情報源から情報収集していますか?添付文書、書籍、インターネット、MRさんや先輩薬剤師・・・。医薬品情報はさまざまなチャネルから入手できる一方で、そのチャネルに一長一短があり、調べものをする薬剤師からすると、どれを利用するか迷うことがあります。ようするに、情報源がたくさんあって、何が使い勝手が良くて、何が信頼できるかがわかりにくいということです。
特にインターネット上の医薬品情報サイトは種類が多いうえに、信頼性の幅やWebサイトの認知度などの問題があります。


薬剤師が使う医薬品情報源

まずは普段私たち薬剤師が使う医薬品情報源について確認しておきましょう。下表に情報収集のタイミング別に整理してみました。


厚生労働省発信情報と製薬企業発信情報は、発信されたら速やかに入手しなければならない情報ではあるものの、情報量が多いことやいつ発信されるかわからないことから、薬局の管理薬剤師や病院のDI担当薬剤師の頭を悩ませています。また紙媒体で提供されるものもありますが、必ずしもタイムリーではありません。
そのため今回は、「”発信されたら速やかに”入手する情報」を提供してくれるWebサービスを比較してみたいと思います。 まず、厚生労働省発信情報と製薬企業発信情報の内容について説明します。

厚生労働省発信情報と製薬企業発信情報とは?


厚生労働省発信情報には、安全対策情報、承認審査関連情報、医薬品関連通知などがあります。その中でも、安全対策情報である、緊急安全性情報(イエローレター)や安全性速報(ブルーレター)、回収情報は重要度が高いため、メール配信サービスなどを利用して速やかに情報を入手する必要があります。
製薬企業発信情報には、流通供給関連情報、包装関連情報、添付文書等改訂情報などがあります。近年、医薬品の出荷調整や販売中止が増えていますよね。これらの情報は通常、製薬企業のMRや医薬品卸業者のMSから直接連絡があります。しかし、連絡が遅れる場合や連絡が無い場合もあります。このようなお悩みを解決するため、これらの情報を提供してくれているサービスを比較してみました。

医薬品情報提供Webサービスの比較

厚生労働省と製薬企業からの情報を入手できるWebサービスを比較してみました。


厚生労働省や製薬企業から発信される医薬品情報を提供するWebサービスを比較してみましたが、今回扱わなかった情報源を含めるとたくさんの入手経路があることがわかります。つい自分にとってなじみ深い情報源を多用してしまいがちですが、情報収集の目的や情報源のメリット・デメリットを踏まえて、いろいろ使ってみることをおすすめします。使い慣れるまでに少し時間はかかるかもしれませんが、私たち薬剤師にとって医薬品情報は欠かせないものですから、使いこなせるようにしておきたいものですね。


【執筆・監修】
城西国際大学 臨床薬学研究室 助教 溝口 優
PDX編集部 富澤 崇




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