令和4年2月15日に後発医薬品の製造販売承認が行われました。
この日 承認された後発医薬品は28成分127品目。
12成分が新しく後発医薬品に参入するものとなっています。
今回は承認された後発医薬品の紹介と合わせて、後発医薬品の承認・薬価収載に関するお話を少し深堀してみたいと思います。
新しく12成分(規格違いを含めれば14成分)の後発品が承認され、そのうちAGが承認されたのは7成分です。すでに後発品が発売されている後追いAGも2成分承認されています。後発医薬品の承認・薬価収載・発売に関するルールを詳しく学ぶと、今回承認された後発品のうち、先発品と適応が異なるもの、薬価が大きく下がるもの、実際に薬価収載・販売されるか気になるものが見えてきます。
1、今回新規で承認された後発医薬品
✔2022年2月15日に12成分(規格違いも合わせれば14成分)の新規後発医薬品が承認
✔そのうち7成分でAGが承認
✔すでに後発医薬品が発売されている成分のAGも2成分承認
まずはこれまで後発医薬品として承認されていなかった、初めて承認された製品・規格について、対象となる先発医薬品の名前で紹介していきます。
新規承認された後発医薬品(先発医薬品名)
リバーロキサバン錠10mg/15mg(イグザレルト錠10mg/15mg)
リバーロキサバンOD錠10mg/15mg(イグザレルトOD錠10mg/15mg)
リバーロキサバン細粒分包10mg/15mg(イグザレルト細粒分包10mg/15mg)
アリピプラゾール錠1mg(エビリファイ錠1mg)
レボカルニチンFF錠100mg/250mg(エルカルチンFF錠100mg/250mg)
レボカルニチンFF静注1000mgシリンジ(エルカルチンFF静注1000mgシリンジ)
トルバプタンOD錠7.5mg(サムスカOD錠7.5mg)
トルバプタン顆粒1%(サムスカ顆粒1%)
エストラジオール錠0.5mg(ジュリナ錠0.5mg)
ダサチニブ錠20mg/50mg(スプリセル錠20mg/50mg)
ジエノゲスト錠0.5mg(ディナゲスト錠0.5mg)
トラマドール塩酸塩OD錠25mg/50mg(トラマールOD錠25mg/50mg)
ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液100mg/4mL(トレアキシン点滴静注液100mg/4mL)
ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液200mg/8mL(トレアキシン点滴静注液100mg/4mLの新規格)
ベンダムスチン塩酸塩点滴静注液25mg/1mL(トレアキシン点滴静注液100mg/4mLの新規格)
アザシチジン注射用100mg(ビダーザ注射用100mg)
アザシチジン注射用150mg(ビダーザ注射用100mgの新規格)
フェブキソスタット錠10mg/20mg/40mg(フェブリク錠10mg/20mg/40mg)
フェブキソスタットOD錠10mg/20mg/40mg(フェブリク錠10mg/20mg/40mgの新剤形)
ドロエチ配合錠(ヤーズ配合錠)
ラメルテオン錠8mg(ロゼレム錠8mg)
オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル2g(ロトリガ粒状カプセル2g)
これらのうち、エビリファイ錠1mgとディナゲスト錠0.5mgを除いたものは成分としては初めて承認されたものになり、今回初めて後発医薬品が承認されたのは12成分(合剤は1成分として数えています)となります。
エビリファイ錠1mgとディナゲスト錠0.5mgについては他の規格で後発医薬品が発売されていたものになります。
さらに、今回はオーソライズドジェネリック(Authorized Generic:AG)の承認も多くなっています。
新規承認されたAG(先発医薬品名)
リバーロキサバン錠10mg/15mg「バイエル」(イグザレルト錠10mg/15mg)
リバーロキサバンOD錠10mg/15mg「バイエル」(イグザレルトOD錠10mg/15mg)
リバーロキサバン細粒分包10mg/15mg「バイエル」(イグザレルト細粒分包10mg/15mg)
クラリスロマイシン錠200mg「大正」(クラリス錠200)
クラリスロマイシン錠50mg小児用「大正」(クラリス錠50小児用)
ラリスロマイシンドライシロップ10%小児用「大正」(クラリスドライシロップ10%小児用)
トルバプタンOD錠7.5mg「オーツカ」(サムスカOD錠7.5mg)
ジエノゲスト錠0.5mg「モチダ」(ディナゲスト錠0.5mg)
アザシチジン注射用100mg「シオエ」(ビダーザ注射用100mg)
フェブキソスタット錠10mg/20mg/40mg「DSEP」(フェブリク錠10mg/20mg/40mg)
炭酸リチウム錠100mg/200mg「大正」(リーマス錠100/200)
ラメルテオン錠8mg「武田テバ」(ロゼレム錠8mg)
オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル2g「武田テバ」(ロトリガ粒状カプセル2g)
クラリスとリーマスのAGはいわゆる後追いAG(後発医薬品がすでに販売されている成分に参入するAG)になります。
2、後発医薬品の発売に関するあれこれ
✔後発医薬品の新規承認は2月と8月、薬価収載は6月と12月
✔承認された全ての薬が薬価収載・発売されるわけではない
✔先発品と後発品の適応が異なるケースが存在する
✔後発品の薬価の決まり方にはルールがある
今回承認された後発医薬品は広く使用されているものや薬価が高いものが多いので発売されたら是非採用したいって方も少なくないと思います。
じゃあ、いつ薬価収載されて、いつ発売されるのか?
そのことに関するお話を簡単にまとめてみたいと思います。