コラム記事

OTC類似薬に関する議論の現在〜一部保険外療養と薬局での対応を徹底解説!!

2026年8月6日、厚生労働省は「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた中間とりまとめ」を公表しました。とりまとめの中では、対象医薬品の考え方、医療用医薬品とOTC医薬品で効能・効果が異なる場合の扱い、別途の負担を求めない患者さんや療養の範囲などが整理されています。


今回は、OTC類似薬の保険給付見直しがどのように具体化してきたのか、制度導入に向けてどのような課題が議論され、中間とりまとめで何が整理されたのかを徹底解説!したいと思います。

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 OTC類似薬の保険給付見直しでは、薬剤費の一部を保険給付外とする「一部保険外療養」という仕組みが創設されました。対象となるOTC類似薬は、OTC医薬品と成分・投与経路が同一で、一日最大用量が異ならない医療用医薬品77成分とされ、使用する場合には薬剤費の4分の1を保険外の別途負担として支払うことが決定しています。
 制度導入にあたっては、医療用医薬品とOTC医薬品で効能・効果が異なる場合をどう扱うかが大きな論点でした。中間とりまとめでは、OTC医薬品に認められていない効能・効果を目的として医療用医薬品を使用する場合は、別途の負担を求めないと整理されています。
 また、がん患者、指定難病患者、国の公費負担医療の対象者、妊婦・授乳婦等についても、別途の負担を求めない範囲が整理されました。ただし、がん患者や難病患者であることだけを理由に、すべての対象医薬品が別途負担なしになるわけではなく、対象となる疾病や状態、処方目的との関連性が重要になります。

1、OTC類似薬の保険給付見直し

この章のPOINT

 昨年大きな注目を集めたOTC類似薬の保険給付見直しですが、突然出てきた議論ではありません。診療報酬では、湿布薬等についての保険給付適正化という形で一部制限が行われてきました。
 今回の見直しでは、健康保険法等の一部を改正する法律により、「一部保険外療養」という新たな枠組みが創設されました。これにより、OTC医薬品との代替性が特に高い医療用医薬品について、薬剤費の一部を保険給付の対象外とする仕組みが導入されることになります。

まずはこれまでの議論の流れを整理しておきましょう。


昨年公開の記事(令和8年度改定で実施?OTC類似薬の保険給付見直しの議論について徹底解説!)でもまとめたように、OTC類似薬に関する議論は、今回が初めてではありません。2009年の行政刷新会議、いわゆる「事業仕分け」では、湿布薬、うがい薬、漢方薬など、市販されている医薬品について公的保険の適用除外とすべきという意見が出されました。その後も、栄養補助目的のビタミン剤、治療目的以外のうがい薬、湿布薬の処方枚数制限、疾患の治療を目的としない保湿剤など、診療報酬改定の中で一部制限が行われてきました。つまり、OTC類似薬に関する議論は、医療保険制度の中で繰り返し扱われてきたテーマです。


ただし、これまでは「OTC類似薬」という大きな括りではなく、個々の医薬品や処方条件への対応が中心でした。背景には、特定の医薬品だけ負担割合を変更することの制度上の難しさがあります。そこで今回の見直しでは、過去のように個別の薬剤や処方条件を制限するだけではなく、「一部保険外療養」という新しい枠組みが法律上創設されました。


2025年12月25日の第209回社会保障審議会医療保険部会では、対象となるOTC類似薬を、OTC医薬品と成分・投与経路が同一で、一日最大用量が異ならない医療用医薬品77成分とすること対象薬剤を使用する場合、薬剤費の4分の1が保険外の別途負担になることが整理されています。


第209回社会保障審議会医療保険部会 OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について

その後、令和8年3月13日に健康保険法等の一部を改正する法律案が閣議決定され、令和8年5月29日に成立、6月5日に公布されました。これにより、OTC医薬品との代替性が特に高い医療用医薬品の使用について、一部保険外療養に位置付ける枠組みが創設されました。


医療保険制度改正法が成立しました|厚生労働省 OTC類似薬の薬剤給付の見直しについて

ですが、実際に制度として運用するためには、整理しなければならない問題があります。そこで、社会保障審議会医療保険部会では、「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」を設置し、令和8年6月25日から議論を行ってきました。

2、中間とりまとめで整理された「対象医薬品」の考え方

この章のPOINT

 中間とりまとめでは、一部保険外療養の対象となる医薬品について、OTC医薬品と成分・投与経路が同一で、一日最大用量が異ならない医療用医薬品、77成分と整理されました。
 剤形の違いだけでは代替性は否定されませんが、成分が完全に一致しない配合剤や、医療用医薬品の方が一日最大用量が大きい場合は、代替性がないものと整理されています。

中間とりまとめでは対象医薬品の考え方について、具体的に整理されています。


一部保険外療養の対象となる医療用医薬品(OTC類似薬)は、OTC医薬品と「成分および投与経路が同一で、一日最大用量が異ならない医療用医薬品」(77成分)となっており、剤形が一致するOTC医薬品が存在しない場合でも、同一成分・同一投与経路のOTC医薬品が存在する場合には、代替性は否定されず別途の負担の対象となります。

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